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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第五十六部 第三章 目的

 王宮の謁見の間に入ると重臣たちに原油採掘の話をした。


 普通なら話に乗らないだろうが、すでに向こうの世界の兵器などが入ってる以上、凄く食い入るように話を聞いてきた。


 具体的に利益を詰めるのは今度になったが、ちゃんと重臣たちや貴族にも分配が行きわたる話をしたので、全員が納得のえびす顔になった。


 そりゃそうだろ。


 儲かる話には乗らざるを得まい。


 採掘と精油のノウハウとかはこちらにしかない。


 それの機械もこちらにしかない。


 結局は乗らざるを得ないのだ。


 しかも、こちらは皇帝なんざは興味が無いと言うのが分かり、雰囲気は完全に友好的に変わった。


 当たり前だ。

 

 皇帝なんて喜ぶのは馬鹿のする事だ。


 あれから、夜に蚩尤(しゆう)の話をする事になり、一旦はお休みと言う事で迎賓室で国王達と許嫁達と一緒に紅茶を飲んでる。


「皇帝に興味が無いのか? 」


 龍女(りゅうじょ)さんが不思議そうに聞いてきた。


「面倒くさいのは分かるんだが」


 チアンウェイが呆れた顔だ。


 女帝とリアンファンさんは王宮と聖樹の方に行っている。


「違う違う。俺が欲しいのはヤマトとコンチュエの共通通貨の発行権だよ」


 俺が笑って答えた。


「おおおおおおお、それに気が付いてたんだ! 」


 親父が凄い驚いてる。


「恐ろしい奴だな」


 国王が唸る。


「いやいや、意外と気が付かないんですけどね。なるほど、共同経済体になれば通貨は共有のものになりますな」


 宰相も唸る。


「当たり前でしょ。皇帝なんか、それに比べりゃ糞ですわ」


 俺が悪代官みたいに笑った。


「そ、そうなのか? 」


 チアンウェイが驚いてる。


「そりゃそうでしょ。事実上のこの星の基軸通貨になるわけだし。これを握れば、この世界の経済も全部握れる。それで、武力もあるんだ。余裕で、たった一人の覇権国のアメリカですよ」


 俺がにやりと笑った。


「本当にたいした奴だな」


 祝融さんも驚いてる。


「金本位制のこちらを、金とか銀を中央銀行の地下金庫にしまい、紙紙幣を発行します。持ち運びも便利だし、それに合わせて銀行も設立すれば……」


「すげぇな。皇帝なんか目じゃないわ」


「でしょう」


 俺と親父が顔を見合わせて笑った。


「そうなのか? 」


 チアンウェイとか不思議そうだ。


「まあ、見てたら分かるよ」


 なんだかんだで皇帝なんて、いろいろ枠組みもあって自由は効かない、それなら実質的に根幹を握った方が旨味が多いに決まっている。


「で、お前はそれだけの権力を手にして何をすんの? 」


 カルロス一世が俺を真剣にじっと見た。


「え? 」


「やっぱりな、お前はこの世界もあちらの世界もすべてを変えかねない人間だ。そろそろそれを自覚するべきだ」


 カルロス一世が本気で真剣に言った。


「むう、確かにな」


 リア充ニコライも真剣な顔をしてる。


「兄弟、地球儀を回すとかはいらないぞ」


 アポリトも真剣だ。


 でも、その話は切ない。


「お前が本当に願っている事は何だ? 」


 親父が真剣に聞いた。


「うーん、やっぱり……じ、人類変態化計画? 」


 俺が悩みに悩んで、そう答えた。


 皆、変態になっちゃえと言うのは確かに本音だ。


 確かに俺のやりたい事なのだ。


 孔明が二宮金次郎が親父や国王達や祝融さんまで笑顔で拍手してる。


「おめでとう」


「おめでとう」


 また定番のエ〇ァが始まるが、それを止めた。


「「「「え? 」」」」


 ふと見ると、カルロス一世とニコライさんとカザンザキスさんと樹老人(じゅろうじん)さんが凄い顔して脂汗を流してた。


 むう、切ない。


 

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