第五十六部 第一章 プロローグ
流石に猛爆攻撃と集中攻撃の連続は凄かったらしくて、饕餮は殆ど残っていなかったらしい。
それでも残った饕餮は、全部ダクダ師匠の聖樹装兵の部隊が壊滅させたそうだ。
とりあえず、こちらはコンチュエの王都の方へ行くことになって、凄く憂鬱だ。
ヘリで行くのだが、行きたくないです。
すでに、コンチュエの第一艦隊は王都へ、第二、第三艦隊は上陸して蚩尤の監視に向ってるそうだ。
ダグダ師匠とゴルゴはそのまま蚩尤の様子を見張ることになった。
「ぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁ、憂鬱だ」
ヤマトの軍服の正装で行こうとしたら、コンチュエ側を刺激する可能性があるかもしれないそうで、コンチュエ式の軍服をチアンウェイがいつのまにか用意していた。
第一艦隊に積んでたそうだが、女帝が準備したらしくてチアンウェイがテレポートして持ってきた。
どこで俺のサイズを測ったんだか。
「ちゃんと、しっかり頼むぞ」
チアンウェイに言われた。
「お願いしますよ」
女帝にも言われた。
胃が痛い。
国王達も遠慮しようかと言う話もあった。
侵略と取られんねないし。
だが、状況が状況なんで、ついて来て欲しいと言う女帝の希望から俺達と一緒に行く事になった。
ヤマトのあちらの世界で注文した数隻のフリゲート艦もこちらに向かってるらしい。
帆船とか、あちらの世界な船が来ると駆逐されちゃうんだろうな。
「まあ、そうだろうな」
親父が横で答えた。
「あ、また、喋ってた」
俺が口を抑えた。
どうも、この癖良くないな。
「だが、これはチャンスだぞ」
親父の目が輝いている。
「何が? って、え? そうか! 」
俺がある事に思い至ってなるほどと思った。
「流石、頭の回転が速くて良い」
親父も嬉しそうだ。
「原油か」
「そうだ。こちらにはたくさんあるはずだ」
親父がにやりと笑った。
「なるほどな」
国王達も頷いた。
「なるほど、じゃあ、これを土産にしようか」
俺が笑った。
「さらに、回転が速くて何よりだ」
親父がさらに良い笑顔だ。
「わしも……乗せてくれんかの? 」
祝融さんが聞いてきた。
「勿論ですとも」
俺が笑顔で答えた。
つまりだ。
こちらの世界で誰もまだ未知の原油と言う発見と採掘をうちが一手に引き受けると言う事だ。
当然、政治権力が抑えに必要だが、俺は幸いに嫌だけどヤマトとコンチュエの連合国家のトップになる上に、テーラ、パトリダ、エテルノと関係が深く、軍事的にも逆らえる国は無い。
ぶっちゃけ、この星の原油を全部一手に引き受けれるのだ。
これをコンチュエに提示し、向こうの母さんのルートから採掘と精製を引き受けれて儲けを分配すればコンチュエの重鎮も何も言えまい。
これで、俺の即位の反対派は誰も口が出せない。
「素晴らしい。流石は旦那様」
女帝が抱きついてきた。
「なるほどな。そんな手があったのか」
チアンウェイも感動している。
むう、また喋ってましたか。
気をつけないと……。
「「気をつけとけよ」」
親父と祝融さんが真剣な顔で俺を見た。
確かに一言間違うと命にかかわる環境だ。
許嫁様に殺されてしまう。
気をつけないと。
やばいな、本当に。
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