第五十五部 第九章 エピローグ
「とりあえず、母さんに聞いてバンカーバスターとか頼む? 」
俺が親父に聞いた。
「それしか無さそうだな」
親父が頷いた。
「とりあえず、爆撃かなんかで入口ふさいでから、バンカーバスターぶち込むしかないかと思うんだけど」
「確かにな、岩盤の地下基地みたいなものに潜む敵なんかはそれしか無いわな」
親父と祝融さんが頷く。
密閉した所で、バンカーバスターをぶち込むと中の人間は爆発のショックで死ぬ。
その程度では蚩尤は死なないけど、なんとか繰り返し直撃できれば、穴倉から引っ張り出せるんじゃないか?
とりあえず、他に手が無い。
「しかし、そうなるとF-15Eがいるな。あれしか積めない。となるとほんまもんの空母持って来るしか無い」
親父が首を捻る。
「アメリカが開発中のMOP(Massive Ordnance Penetrator)使うか? 爆発力は六倍あるし、大体の航空機につけれる」
祝融さんが助言してくれた。
「本当は核弾頭のB61が良いんだけど……」
と俺がチアンウェイを見ると左右に首を振られた。
「……仕方ないよなぁ」
「毒ガスが効けばな」
親父が呟く。
「どうなの? 」
俺がアオイに聞いた。
「意味が無いと思います」
「だよなぁ」
「何か、びっくりするほど、対策が過激なんだけど」
ニコライさんがドン引いてる。
「いや、でも、これで倒せるような気がしないんだけど」
俺が苦虫を潰したように答えた。
「実は俺もだ」
親父も苦笑いした。
「どちらにしろ、蚩尤は引っ込んだけど、饕餮とかはまだ生きてるかもしれませんから、俺達の方で潰してきます」
ダグダ師匠が俺達に敬礼した。
「じゃあ、お願いします。ダグダ師匠」
俺が師匠にお願いすると、ブルさん達と聖樹装兵を着装して現地に飛んで行った。
「真面目だな。剣聖ダグダだっけ? 結構、伝説的な人物だがな」
祝融さんが感心してる。
「多分、気を紛らわしたいのかと」
俺が答えた。
「分かるわ」
カルロス一世が深く頷く。
「身体を動かしてたら、気が紛れるからね」
クニヒト大佐も頷いた。
「は? 」
祝融さんが凄い顔してる。
「仲間ですよ。な・か・ま」
親父が凄く良い笑顔だ。
「なるほどな」
祝融さんも優しい笑顔を浮かべた。
「……お爺ちゃん」
麗が冷やかに答えた。
「いやいやいやいやいや、何でも無いぞ。わしは妻を愛してるからな」
祝融さんが必死だ。
皆でほっこりした。
そうか、同志なんですね。
心の温まる話を聞いた。
素晴らしい。
それと、母さんにはMOPとかと共に、速乾性のコンクリも頼んだ。
あまりにも山脈とかチアンウェイとか五月蠅いんで、コンクリとかで固めて土を盛って山にしてやろう。
山脈は無理だけど、とりあえず、やってますでいいや。
いずれ彼女達が山脈の事を忘れるのを期待したい。




