第五十五部 第八章 退避
それを見て、爆龍王ゴウオウとリヴァイアが畳み込むように猛爆攻撃を続けた。
そして、遅ればせながらガムビエルを呼んで続いて光輪攻撃を開始させた。
これがどれほど凄いかと言うと、山脈が消えました。
そこにあった山々がドロドロにとけた溶岩みたいになってる。
「孔明! もう少し、あそこの山脈が真赤になったら、あそこに一気に大雨が降らせれるか? 」
「出来ますよ。我が君」
「出来れば吹雪が良い」
俺が続けて命令した。
金属に守られてるようなので、これで金属疲労でも起これば儲けもんだ。
もうすでに、まともな戦いじゃないけど。
それでも、蚩尤の金属で出来た鎧は真赤に高熱を発している。
祝融さんも再度の巨大なファイアーボールをいくつも浴びせかけた。
「いいぞ」
俺が孔明を見た。
孔明が軽空母の前側に行くと手を合わせる。
その途端、黒雲がたなびいて、凄まじいミゾレまじりの豪雨が蚩尤のあたりに降り注ぐ。
鉄を水につけたような激しい音がして、凄まじい蒸気が辺りに満ちている。
「あ、サイズを変えて逃げれるのか」
大きさが四十分の一ほどに縮んでいる。
サイズが変えれると言うのはゴウオウもそうだが、ちょっと卑怯だよな。
どうも、退路があったようだ。
汚い。
「下に巨大な空洞があって、そこに神殿があるみたいですね」
アオイがじっと見て答えた。
「逆に、そうなると地下に籠城するのを攻め込むのなら、厳しいな」
親父が唸る。
「待ち伏せされるなら、かなりしんどいことになる」
祝融さんも、苦虫を潰した顔だ。
「何だよ。結局無駄骨かぁ? 」
俺が愚痴る。
「コンチュエの誇る中央山脈が無くなったんだけど」
横で呪いのようにチアンウェイが呟く。
「あの山脈はコンチュエのシンボルの一つなのに」
女帝も呪いのように呟いた。
二人で並んで、お経のように俺の横でぶつぶつ言ってる。
「まあ、正義の為だから、我慢してください」
俺がくるりと横を向いてきりりと言った。
「「我慢できないし! 」」
チアンウェイと女帝に怒鳴られた。
おや、正義のためが効かない?
馬鹿な。
「何か、もう少し穏便なやり方は無いのか? 」
チアンウェイが食い下がるように言って来た。
「穏便なやり方なぁ」
親父が横で首を傾げる。
「兵主の神だし、接近戦でやると、厳しいんじゃないか? 」
祝融さんも続いた。
「とりあえず、放置とか駄目かな? 」
「「「は? 」」」
アオイもチアンウェイも唖然とした。
「正直、これだけ破壊しても駄目なら、俺には思い切って大陸ごととかしか考えれん」
「アホかぁぁぁ! 」
チアンウェイがキレた。
だって、地下に入って戦うとか勇者ものとかで良くやるけど、相手のホームで戦うわけだから、普通に無理だろ。
城だって最低最悪でも三倍の兵力がいるって言うのに、地下の迷路だもんな。
兵主の神って言うくらいだから、絶対待ち伏せしてるだろうし。
さて、どうしようか?
ため息が出る。
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