第五十四部 第八章 エピローグ
すぱりとキレの良い土下座を行う。
向かいの鏡に自分の姿が映る。
素晴らしく美しい形だ。
土下座の流派でも作ったらいいのだろうか。
我ながら、ほれぼれする。
ふと、横を見ると、二宮金次郎が一緒に土下座してる。
「な、何をしてるんだ? 」
「いえ、主を許して貰おうと思いまして」
二宮金次郎がそう言った。
「良い奴だな」
「いや普通ですよ」
二宮金次郎が笑った。
「なんか、説教する気無くなったんだけど」
ミツキがむくれた様に言った。
「とりあえず、こちらが悪者みたいになっちゃうし」
レイナさんもため息ついた。
何という事だ。
驚いた。
本当に性格が良い。
孔明で汚された心が洗われるようだ。
お仕置きタイムが無くなった。
何と素晴らしい。
「じゃあ、また、後で」
ムラサキが二宮金次郎を掴むと部屋から出した。
「おやおや、久しぶりのノリでございますね」
こっちへ移行ですか。
「とーちゃん、助けるぞ! 」
鳳雛ちゃんが、二宮金次郎と入れ違いで入って来るが、レイナさんが捕まえた。
「これから大事な事があるから、待っててね」
レイナさんが笑った。
「とおちゃん、ベットにぴょーんか?」
鳳雛が聞いてきた。
「外で言ったら駄目だぞ」
許嫁達が赤くなったので、とりあえず、そう答えた。
鳳雛がレイナさんが開けたドアからちょこちょこ出て行った。
可愛い奴め。
「さあ、お楽しみね」
ミツキが言った。
そしたら、激しい噴火のような音が鳴り響く。
「え? 」
俺が唖然とした。
おやおや。何か事件ですかね。
「とりあえず、お楽しみを先にしましょう」
人魚姫さんが言った。
なんでやねん。
「待ってくれ。音がコンチュエの方だ」
チアンウェイが凄い顔してる。
「ちょっと、行った方がいいかも」
色ボケしてた女帝さんも顔が真剣になってる。
「すまん。緊急事態だ。蚩尤が出た」
俺の部屋のドアを樹老人さんが叩いた。
多分、誰も怖くて叩けなかったんだろう。
しかし、まずいな。
先に一気に始末が出来なかった。
こう考えると二宮金次郎がガンだけど。
でも、性格良かったから仕方ない。
とりあえず、金にもならない、馬鹿な仕事をしに行くか。
俺がため息をついた。
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