第六部 第十章 エピローグ
ヤマトの港から出たばかりのパトリダ行きの豪華高速帆船を見つけて、俺達はそこに降りた。
ちょうど、時期的に乗客が少ない時期らしく、甲板にあまり人もいなかった。
幸い甲板にいた船長がアオイの事を良く知ってて、俺達は空いていた貴族や王族御用達の特等船室を使わせて貰うことになった。
パドリダにおいて、やはり、カザンザキスさんの威光は最強だ。
問題はアポリトで、ヤマト怖いと汚されちゃったと交互に呟いていて、精神状態が非常に危うい。
大丈夫なのか、心配だ。
とりあえず、船医さんに鎮静剤とスキル回復魔法をかけて貰い、睡眠薬も追加して貰って、アポリトにしばらく休んでもらうことにした。
俺がアポリトが寝たのを見て、アポリトの特等船室を皆と出たら、ふらっとした。
「あれ? 慣れない聖樹装兵で、しばらく空を飛んだからかな? 」
身体に力が入らない。
本気でクラクラする。
ムラサキとミツキが左右で俺を支えた。
「ユウキ様、大丈夫ですか? 」
「お兄ちゃん、大丈夫? 」
「すまん。ちょっとフラフラする」
「とりあえず、せっかく貴族や王族御用達の特等船室を借りれたのですから、もうお休みください」
アオイが心配そうだ。
「ああ、そうするよ。とりあえず、ヤマトに対しては、寝てから考える事にしよう」
俺が答えて、自分の借りた特等船室に入るとベッドにもぐりこんだ。
一夫多妻の世界のせいか基本的に宿もベットはでかいが、この特等船室のベッドでかすぎない?
「……ベッドがでかくない? 」
俺が驚いた。
ニ十人近く寝れそうなんだが。
「この豪華高速帆船はヤマトからコンチュエ通ってパトリダへの航路を往復する帆船なのよ」
ミヤビ王女が答えた。
「ああ、なるほど、ヤマトの王家と貴族用でもあるのか」
なるほど納得した。
ヤマトの貴族だと嫁が十人も普通らしいからな。
特に毎日全員相手にするなら、大きなベッドが無いといけないのだろう。
「じゃあ、休ませて貰うよ」
そのでかいベッドに滑り込むように俺は服を脱いで入った。
「あ、クニヒト大佐は? 」
「隣の部屋で寝てます。アポリトさんの隣の部屋です」
アオイが答えた。
「多分、クニヒト大佐も追いつめられてたから、ついて来て、ほっとしちゃったんじゃないかな」
ミヤビ王女が疲れたような顔をした。
「そうか。なんか、あいつには悪い事したな。明日、もう一度謝るよ」
俺が言ったら、ミヤビ王女がニッコリ笑った。
「寝る前にこれ飲んでください」
アオイがコップを持ってきた。
何か飲み物が入っている。
「これは? 」
俺がアオイに聞いた。
「疲れを取る飲み物だそうです」
「へー」
言いながら、一気に飲んだ。
結構、甘い。
「美味しい。これどうしたの? 」
「はい、父が疲れた時にって送ってきたものです」
アオイがにっこり笑った。
「は? 」
言ってから、意識が飛んだ。
あれ?
寝てしまったのか?
巨大なベットで上体を起こすと、ベットが荒れてる。
「あれ? 」
布団を見ると、裸のアオイとミツキとミヤビ王女とムラサキがいた。
震えた。
えっ?
朝チュン?
俺の初体験って5P?
しかも、従妹と妹と男の娘?
「えええええぇぇぇぇぇえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! 」
弟<仮>から連絡無いため、こういう結論に達しました。