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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第一部 第六章 逃亡

 アレクシア軍とクロダ公爵の第一陣の間を斜めに突っ切って、山をいくつか超えた。

 

 そこで、やっとスキル逃亡が解除された。

 

 ミヤビ王女とクニヒト中尉を背中から降ろすと俺は座り込んだ。


 ムラサキはなんとかついて来たみたいだが、他の騎士達は遅れてるようだ。


「貴方、やっぱり裏切って無かったのね」


 ミヤビ王女が座り込んだ俺を見た。


「右手の聖樹の紋章が何の邪魔もしてないから、途中で気が付いたんだろ」


 笑って俺が答えた。


「へー、良く観察してるじゃない」


 ミヤビ王女が嬉しそうに笑った。


「最初から言っておいてくれよ」


 クニヒト中尉が愚痴る。


「言ったらばれるし」


「いや、そうだけど」


「流石、ユウキ様ですね」


 ムラサキが嬉しそうに笑った。


 なんで女じゃないのか理解できないくらい可愛い。


 困ったもんだ。


 突然に、俺がいきなり刀を抜いて立ち上がった。


 すでに先ほど一発撃ったので、轟天(ごうてん)は今は単なる刀でしかない。


 遅れていたクニヒト中尉の騎士達とともに騎馬に乗った三百人程度の騎士がこちらに向かってきてるのが見えた。


「あー、警戒しないでくれ。敵じゃないから」


 騎士団の先頭にいる騎士が馬から降りて笑顔で手を振って歩いてくる。


「おれはクロダ公爵のとこにいたカガ ヨシアキ大尉だ。カガ伯爵家の二男なんだが、クロダ公爵が裏切ったのを知って陛下には内緒で連絡してたんだ」

  

 クロダ公爵の近くにいた騎士だ。


 顔に覚えがある。


 年齢は二十後半くらいか。


 しかし、思うが、皆、美男ばっかりだな。


 なんだよこの世界。


「え? すると父は知っていたのですか」


「ええ、知っていたから、クロダ公爵を先陣に置いたのです。第二陣で裏切られると厄介ですし」


「でも、それなら私達も何故先陣に。人質にされるところだったのに」


「いや、一応私が助ける予定でいたのですが、まあ。それ以上に陛下もユウキは私の弟に似てるから何とかするだろうって笑ってらっしゃって」


 笑いながら、ヨシアキ大尉が俺を見た。


「最悪」


 ミヤビ王女が頬を膨らました。


 まあ、見た目は美少女なんで確かに可愛い。


 胸は残念だけど。


「まあ、私としては、なんとか姫と君を助け出そうと思ってたんだが、まさか、あんな手を使うとはな。驚いたよ。で、そろそろ刀を降ろしてくれないかな」

 

「悪いが信用できない」


 俺が轟天(ごうてん)を構えたまま答えた。


「分かった。では、これを見て欲しい。ミヤビ様確認してください。陛下からの密書だ」


 ヨシアキ大尉が懐から密書を出して、ミヤビ王女に跪いて渡す。


 ミヤビ王女が密書を開くと国王のサインとよきにはからえとだけ書いてある。


 密書なのか、これ?


「間違いありませんね。父の書状です。相変わらず適当だし」


「え、こんな指示ありなの」


「うちの父はこんな感じです」


 困った王様だな。


「じゃあ、これで信用してくれるかな」


 ヨシアキ大尉がほっとしたように言った。


「待て、まだだ。もう一つ証明してくれ」


「なんだ、本当に疑り深いんだな」


 ヨシアキ大尉が苦笑した。

 

 俺が山の下に見える街道を補給のために走るアレクシアの小荷駄部隊を指差す。


「あの補給部隊を襲って、荷物を奪ってきてくれ」


「やれやれ、分かったよ」


 手を振りながらヨシアキ大尉が騎馬に乗ると、山を仲間と降って行った。




 --数時間後、大量のパンや糧食と金貨などの袋を持ってヨシアキ大尉が仲間と帰ってきた。


「これで良いんだろ」


 早速、俺が飛びついて、パンや食い物を食べあさる。


「なんだよ、飯が食いたかっただけかよ」


「ふぁひいうふあひへはふぁいんふあふあ」


「飯食いながら言わないで良いよ」


 ヨシアキ大尉が呆れたように顔を右手で覆った。


「あんた、腐っても王族なんだから、ちゃんとしてよ」


 ミヤビ王女が恥ずかしそうな顔をした。


「なんか、恥ずかしいです」


 ムラサキが頬を真っ赤にして顔を両手で覆った。


 腹が減ってるのだから仕方あるまい。


 慌てて、水筒から水を飲むと口の中のものを無理矢理呑み込んだ。


 そして、金貨の入ってる革袋を開けた。


「随分と金を持ってるんだな」


「まあ、戦場で略奪だけと言う訳にもいかんからな。物を買うにも金は必要だ」


 金貨を手にしながら、思った。あれ? 戦争って儲かるじゃね?


 これはいいかもしんない。








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