第五十三部 第三章 正義の味方ファンド
「正義の味方ファンドって配当とかどうすんの? 」
俺が呆れ果てて聞いた。
「うむ、とりあえず、助けた国から金貰うか」
親父が首を傾げた。
「それ、みかじめ料だよね」
「後は敵国からの賠償金か? 」
国王が笑った。
「それ、略奪に近いよね」
わけがわかんねーや。
「一体、正義の味方はどうやって金を稼いでるんだ? 」
ルイス中尉が本気で悩んでいる。
「戦隊系だと整備費考えたら凄く金がかかりそうだな」
親父が笑った。
「何か、また、馬鹿な事考えて」
和真も呆れてる。
逆にカルロス一世とか興味深そうだ。
「何で、そんなに興味深そうなの? 」
俺が呆れて聞いた。
「いや、そうやって金集めるってのはこっちには無いからな」
「せいぜい、ヤマトがはじめた国債くらいですね」
カザンザキスさんもちょっと興味津々みたいだ。
「ああ、そういや、国債がヤマトはあったんだ」
「先代から港湾とかは全部それでやってるよ。資金集めやすいしな」
国王が笑った。
「待てよ。ひょっとして、本当に商売になるのかな? 」
急に俺も気になりだした。
「兄弟、多分、商売になるんじゃないか? 軍事力の無い国は同盟くらいしか対応できないから、海賊対策とかは困ってるからな」
流石、アポリトは元海賊だけあって良く分かってる。
と言うか、そうやって関所料で稼いだり、みかじめ料で稼いだりしてたんだな。
「傭兵会社作るか? 食えない兵士は結構いるし、そう言うのが犯罪社会に行かないように治安対策にもなる」
親父がガチで乗り気だ。
「なるほどな」
「それが、<終末の子>の戦いに参加するわけじゃな」
樹老人さんが、感動して目がうるうるしてる。
いや、そんなに甘くないと思うけど、それは言わない。
「この孔明も賛成です。そうやって兵を集めるのは確かに王道」
孔明がイランのにノリノリでやって来た。
「なんか、またマッチポンプされそうで嫌なんだけど」
俺の顔が引き攣った。
「何をおっしゃいますやら、マッチポンプも謀の一つですよ」
「お前、それだけじゃん」
全然駄目だ。
「じゃあ、マジで話を進めるか」
親父がウキウキしてる。
「問題は正義を出しちゃうと、そうじゃない奴から依頼があったら困るでしょうね」
宰相が困ったように笑った。
「簡単だ。正義だからって言いきっちゃえばいい」
親父が良い笑顔だ。
「まあ、そう言えば全部通るからな」
「そのとおりだ。そもそも、1対5でやっても正義だからな」
むう、なるほど。
現実は、そんなもんだよな。
「むう、これは儲かるのか? 」
皆が頷いた。
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