第五十二部 第七章 厳鉄
向こうの強襲型の蒼穹船から黄色の信号弾が出た。
「なんだ、あれ? 」
俺が燐女さんに聞いた。
「あれは味方かどうか確認する時の同族の合図なんだ。まだ使っていたとは……」
燐女さんが感激してる。
燐女さんが手を上げると、こちらの強襲型の蒼穹船から一斉に黄色の信号弾が打ち出された。
ちょっと凄い迫力なんで、麒麟族の少女が喜んでいる。
向こうの強襲型の蒼穹船から揚陸艇みたいなのが出て来て、こちらに飛んできた。
どうやら、軽空母の甲板に止まるつもりらしい。
甲板に止まった揚陸艇のハッチが空いて、麒麟族の男が出て来た。
身長は二メートル近くて、いのししの牙みたいに曲がった角が左右に生えていて、それは良いのだが、全身に入れ墨がある。
「おおおおお、おったんかぁぁあ! 悠! 」
その男が小さな少女……悠を両手を拡げて迎えた。
ほー、悠って言うんだ。
「厳鉄じいちゃん」
悠が麒麟族の男、恐らく族長であるだろう厳鉄と呼ばれる人物に話しかけた。
「おおおお、よかったのぉ。お前が攫われたと思ってぶち殺しちゃろうと思って来たんじゃが理由はちがったんかのぉ」
厳鉄の言葉が荒い。
「族長良かったのぉ! 」
「ほんまじゃああ! 」
同じようにハッチから出て来た麒麟族の男達が叫ぶ。
皆、でかい。
しかも、顔がパッチワークのように縫い目がある。
全身は入れ墨だ。
これ、ヤクザじゃ?
分家と共通点が無さすぎる。
「おぅ、われぇ! 挨拶すんのは分かるんじゃが! どう言う事かいのぉぉお! 」
厳鉄の横の立てに顔がずれて縫われたおっさんがわめく。
「ほんまじゃあ、ふざけとんのかぁぁぁぁ! 」
右目が縫われてるおっさんもわめいた。
「やめんか、権蔵に橋蔵。一応、お味方さんのようじゃ」
どうも、顔がずれているのが権蔵で片目なのが橋蔵らしい。
「あんたが燐公子さんかぁぁぁぁああぁ? ちょっと、やり過ぎちゃいまんの? 」
あかん、全然、燐公子さんの意味が無い。
恐れ入る感じも無く、威嚇してる。
「お爺ちゃん、燐公子さんだよ。私達が待っていた方だよ」
「悠は良い子じゃの! じゃがな、これは筋違いじゃ無かろうか! 命を預けるもんがこんな程度はこまるんじゃがのう! 」
だよな。
何か策があるんだよなと孔明見たらいないんでやんの。
おい……。
「あれ? 孔明は? 」
俺が見回して聞いた。
「ムラサキがブチ切れて追っかけたんで逃げてますよ」
アオイが笑って答えた。
あのカスが。
「えーと、すいません。うちの部下が勝手にご迷惑をかけまして」
「はぁぁぁああぁぁぁぁ? おどれは誰じゃあああああ! 」
厳鉄さんが叫ぶ。
「ああと……」
「<終末の子>だ」
横で樹老人さんが紹介してくれた。
「ほぉぉぉぉぉ、<終末の子>ちゅううんはこういう事するんかいの? 」
厳鉄さんが威嚇して来た。
まいったな、会話にならん。
誕生日の感想とブックマークをありがとうございました╰(*´︶`*)╯♡
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今後とも宜しくお願いしますm(_ _)m
とりあえず、仮眠します(( _ _ ))..zzzZZ




