第五十一部 第七章 七支族
「な、何だ、これは! 何なのだ、これは! 」
タマがちゅ〜るをすすってから、これまた止まらなくなった。
流石、ciao。
貴方方が開発したちゅ〜るはケモミミの猫族すら魅了しましたよ。
流石はいなば食品。
百人乗ってもだいじょうーぶ。
あ、これはイナバ物置か。
「ふふふふ、どうだね。降参したらどうだ」
俺が高らかに笑った。
「くくくくっ、こんなもので! こんなもので! 七支族たるケモミミ族筆頭の猫族がぁぁぁぁ! ついについに数千年待ち続けた<終末の子>様が現われたのにぃぃぃ! 」
タマが慟哭した。
「ご先祖様にあわせる顔が無いぃぃぃ! 」
タマが本当におんおん涙を流して泣いている。
「ほほう、これはこれは、七支族ですと」
今まで、どこ行ってたのか知らんのだが、孔明が現われた。
「そうだ。我らは<並び立つもの>様を信仰し、<終末の子>様の為に戦うように百代以上に渡って、耐えて生きて来たのだ! それが、やっと<終末の子>様が現われたと言うのにぃぃぃ! 」
横でいつの間にか来た樹老人さんが凄く目をキラキラさせて嬉しそうだ。
「この忠義に報いてやらねばの」
俺をさらに溢れんばかりのキラキラで見た。
くくくっ、ドツボやんけ。
「あ、貴方は、まさか樹老人様では! 」
タマの驚きと衝撃がハンパ無い。
うわぁ、どっかで見た風景。
やだなぁ。
「ふふふふ、いかにも樹老人である」
樹老人さんが嬉しそうだ。
今まで<終末の子>をどうすんだとか、何でああなったんだとか唾吐かれて来たのに、やはり嬉しいのだろう。
せつないなぁ。
「安心しなさい。ほら、あそこにおられるのが我が君である<終末の子>様である」
なんか、孔明が助さん格さんのノリで俺を羽根出て来た扇子で指差した。
「おおおおおおお、貴方様が、貴方様が、<終末の子>様だったとは。ははぁー! 」
タマが土下座した。
と同時にシェラだけで無い、他の全ての猫族が慌てて土下座した。
すげぇ、恥ずかしい。
何、この羞恥プレイ。
土下座されたもんで、思わず顔を背けて見ないようにした。
「はいはい、駄目だよ。旦那様」
ムラサキにぐぐいと前を向かされる。
うぉぉぉぉおおぉぉぉ、すげぇ、二千人以上土下座してはる。
「貴方様に、我らの命をお捧げします! 」
タマが皆を代表して叫んだ。
いや、いらねって。
断ろうとしたら、許嫁達が全員嬉しそうな顔してるんで、出来ない。
ちょとかなりのやばさを感じる。
ああ、結局、こうなるか。
そののち、すべてが終わった後に、ケモミミ族には俺の名は<ちゅ〜るの人>と受け継がれるのであった。




