第五十部 第八章 エピローグ
次の日に料理が始まり。皆が集まってきた。
すべてはうまく回るはずだった。
だが、状況は一変した。
ミツキとアオイが料理を作ったのだ。
それを知った時、我々男側の恐怖が凄かった。
何という事だ。
「どうすんだよ」
クニヒト大佐が小声で囁く。
「俺に言われても……」
「止めようが無いな」
親父の顔が歪んだ。
一撃必殺の料理が今、ここで……。
煌びやかな、服を着て集まる亜龍人達。
まるで、アガサクリスティのそして誰もいなくなったになりかねない。
慌てて、料理のブースに行くと、一目でミツキとアオイの料理がわかる。
「何、見てんだよ! 」
またお前か、人面魚!
こないだで活造りは懲りたんじゃねーのかよ。
「これから、捌くのよ」
アオイが笑顔だ。
止めれない。
止めれないよ。
誰が今のアオイを止めれるのだ。
目が助けを呼ぶように親父達を見ると、姿が消えてる。
くくっ、ベテランの兵士もいい加減にしろよ。
「ほら、こっちも一杯よ」
ミツキがでかいクーラーボックスを開けた。
「「「「「きょきょきょきょきょきょきょきょきょきょきょ」」」」」
四足の例のハゼのような魚が、わぁ一杯。
何でだ?
「「今日はリベンジです」」
アオイとミツキが腕をまくった。
毒はどう料理しても毒なんだよ。
何で、分かんないんだ。
「ほほう、極上の品ですな」
突然、アオイ達が捌き始めた所で、ビグルさんが感嘆してる。
「なんですと? 」
「いや、これは素晴らしい。この四つ足は滅多に取れないのに、さらに人面魚まで」
ビグルさんの息子さんらしき亜龍人が横でさらに褒める。
「試食なさいますか? 」
ミツキが捌いたばかりの四つ足の刺身をビグルさんに小皿にのせて醤油とワサビを添えて渡す。
ああああああ、結婚式がぁぁぁぁぁ!
と思ってた。
恐怖で足が震える。
「おお、美味い。しかも、新鮮だ」
ビグルさんが喜んでる。
信じられないけど、喜んでる。
何でだ。
嘘だろ?
「我が君、あれは龍族には最高の美味らしいですぞ」
孔明が後ろで囁いた。
はっ、そう言えば。
ワイバーンとドラゴネットに聞いたんだったな。
そうか、亜龍人もドラゴン。
そう考えれば、当たり前なのか。
「「「「なるほどな」」」」
親父と国王達が戦場に戻ってきた。
くっ、何で、こんなに早いんだ。
どんどん見極めが早くなってる。
大丈夫と思えば戻ってくるのか。
信じられねぇ。
「まあ、あれだ。新しい俺達の仲間を祝ってやらないとな」
親父が良い笑顔だ。
そう言えばそうだ。
壇上にダグダ師匠と妻となる人達が登った。
着飾って綺麗だ。
綺麗なものには毒がある。
おめでとうダグダ師匠。
地獄へようこそ。
ちなみに、これは作者が就職して最初の着任先で先輩達に笑顔で一斉に言われた言葉だそうだ。




