第五十部 第五章 亜龍人の島
そんな訳で、ヘリで皆でダグダ師匠の言う島についた。
本当に驚くほど、亜龍人がいる。
完全武装した亜龍人の兵士が並んでる中で、その中を年を取った長老のような亜龍人が若い女性のような亜龍人に支えられてきた。
俺達が降り立つ所へ来ると、長老のような亜龍人がダクダ師匠と握手した。
「剣聖であらせられるダクダ殿が我々の主たる<終末の子>をお連れしてくださった事、我らは忘れませぬ。この長老たるビグル、皆を代表して感謝いたします」
ビグルとと名乗った長老が俺達を見回した。
「おおお、名前は言えませぬが、三百年ぶりでございますな。貴方がいらっしゃると言う事は間違いのないと言う事ですか」
ビグルはアオイの前に来ると懐かしそうに笑った。
うお。
やっぱり、そうなのか……。
アオイが笑って、軽く頭を下げた。
「おおお、これは失言でしたな。失礼いたしました」
ビグルが申し訳なさそうに笑った。
むう、やはり、言ってはいけない事であったか。
古い許嫁は何となく感じてるから良いものの、新しい許嫁が驚いてる。
さらに言うと、カザンザキスさんが涙を流してる。
可愛い孫の方が遥かに年上だと言う。
せつない。
「ところで、おや? 妙ですな? <終末の子>様はどちらで? 」
ビグルが不思議そうに親父と俺を見て回る。
「はははは、我が君はこちらでございます」
孔明が羽根で出来た扇子で厳かに俺を紹介した。
くっ、余計な事を。
「おお、孔明殿。こちらの方でしたか」
さらに、疑念が。
なぜ、孔明を知っている。
また、マッチポンプか。
これは警戒した方が良さそうだな。
「おかしいですな」
ビグルが親父を見て首を傾げた。
「まあ、親子だからな」
親父が笑った。
ひょっとして、相手の能力が分かると言う事か?
確かに、親父と俺のスペックは変わらんし。
「まあまあ、ご老人。そんな事言ったら、ヤバイ人一杯でしょ」
孔明が羽根で出来た扇子で許嫁達をそれと無く示した。
「まあ、そうですな。アオイ様クラスまでが、こんなに一杯いらっしゃるとは」
「は? 」
ビグルさんが凄い事言った。
誰だ?
しかも、こんなにだと?
最近、自分が疑い深くて困るのだが、それがいつも当たる。
アオイはどう見てもクラスが違うはず。
せいぜい近いのはゼブくらいだろ。
なのに、一杯だと?
誰か偽装して俺の許嫁に混ざってるのか?
むう、恐怖が止まらない。
あり得るだけに笑えない。
さらに、怖くて聞けない。
誰なんだ?
眩暈が止まらない。
 




