第五十部 第一章 プロローグ
驚いた。
ガチで驚いた。
軽空母にある俺の広い部屋で、深雪とさくらとミヤビ王女が人魚姫さんに化粧したりしたら、変わったってーか、変わりすぎぃぃぃぃ!
本当に化粧すると変わるんだ。
海で荒れた肌を回復魔法と化粧品でコントロール。
山姥みたいなバサバサの髪を丁寧にカットと回復魔法とトリートメント。
嘘だろ?
ってくらいの変化だ。
こえええ。
と言うか、回復魔法とのセットでこれ金になるんじゃ。
ちょっと考えてみようと思うくらい綺麗だ。
「元は良さそうだったから、いけると思ったんだけど、やっぱりね。美人だわ」
深雪が笑った。
「回復魔法とのコンビネーションって凄いんだ」
さくらも驚いてる。
他の許嫁も私にもとか言うんで、何かいろいろ始まった。
皆が凄く綺麗になっていく。
詐欺だ。
まあ、もともと美人ばかりだけど、スーパーモデル級の超美人だらけに変わっていく。
こ、これはお勤めが楽しみかもしれない。
何という事でしょう。
ビフォーアフターとはこういう事を言うのかもしれない。
すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
ルパ〇三世のベットにぴょーんが分かる。
ガチでそれをやろうとしたら、鳳雛が俺の顔に飛び付いた。
何で、邪魔すんだ。
「何か、外で呼んでるらしいんだけど」
ミツキが首を傾げた。
「誰が? 」
「孔明みたいですね」
アオイが笑った。
「あのマッチポンプがか」
「名前、マッチポンプになっちゃったんだ」
ムラサキが笑ってる。
鳳雛が必死だ。
あ、名前はまんま鳳雛になった。
だって、鳳凰の雛だし。
可愛いんだけど、大事なとこを邪魔するくせがある。
こいつも、性格が悪いのかもしれん。
せっかく、せっかく、初めて全力でお勤めしたいと思ったのに。
獣みたいになりたかったのに。
許嫁達が真赤になってる。
「あ、口に出てた? 」
許嫁達が真赤になって頷いた。
「まあ、後でお楽しみと言う事で、とりあえず、行って来たら? 」
深雪が笑った。
そういや、権力のせいかしらんが、深雪とサクラの親は大歓迎で、結婚式にも来るらしい。
外国と説明したらしいが、こっち来たらびっくりするだろうな。
「分かった。仕方ない」
俺が言うと鳳雛がうれしそうに頭にとまった。
くくくっ、勘弁して欲しい。
懐きすぎだろ。




