第四十九部 第十六章 エピローグ
と言う訳で、目の前に卵が一つある。
鳳凰の若い奴等三匹は、許嫁が甲板につないで餌付けするらしい。
アオイとミツキが張り切ってるので放っておくことにした。
半魚人との御縁をありがとう。
これは心からのお礼だ。
とりあえず、軽空母からテーラで買った一部の食糧を渡し、パトリダから無線でワイバーンの宅急便で他の物資を送ってもらうことになった。
オウさんとか感激したものの、七支族の件はスルーされた。
まあ、別に良いけど。
結局、金出しただけで終わった。
まあ、あの俺の前世の顔の神像の件で大騒ぎしてたので、知らんふりしてたから、お互い様だろう。
やはり、あの前世の顔は何かあるのか?
<並び立つもの>とか言ってたな。
そういえば、昨日、ヤマトやパトリダの神話を見せて貰ったら、どれも一番最初のページに載ってた。
光と闇の創造主と合わせて三神と言うらしい。
良く分からん。
ついでに、卵の周りを廻ってる親父と国王達の男組にも呆れる。
ずっと、艦橋の中で息をひそめてたそうだ。
羨ましすぎる。
「この卵、どうすんの? 」
燐女さんが溢れる涎を止められないようだ。
「美味いらしいな」
しれっと親父が隣に来た。
横を見たら国王と宰相達はすでに、皿と箸を持っている。
準備万端と言う事か。
「えーと、何にすんの? 」
「目玉焼き」
燐女さんが即答だ。
そうか、全部伝承通りなんだな。
「逆に煮卵とかどうだろうな」
親父もじっと見て舌なめずりしてる。
「私はシンプルに茹で卵が良いですね」
孔明が笑った。
「え? お前も食うの? 」
「味見位させてくださいよ」
孔明が羽根で出来た扇子で口を隠して答えた。
「やれやれ。どうするかな? とりあえず許嫁の意見も聞かないと」
俺が皆を見回した。
「いや、それは悪手だ。鳳凰の子供をかわいがってるからな」
国王が言った。
「我々が行くと肉を毟らんばかりに、爪とくちばしで攻撃してくるのに、ミツキやアオイ達には大人しいからな」
宰相も首を捻る。
それ、アオイとミツキに鳳凰の子供が怯えてるだけだと思う。
そうしたら、目の前の鳳凰の卵の殻にヒビが入って、鳳凰の雛が出て来た。
「あああああ? 孵っちゃった? 」
燐女さんのショックが凄い。
「あららら、これで食うのはちょっとなぁ」
国王が愚痴る。
鳳凰の雛は俺を親だと思って懐いてきた。
「まあ、これはこれで有りですね」
孔明が羽根で出来た扇子で口を隠して答えた。
「なるほど、伏龍、鳳雛だな」
親父がにやりと笑った。
「然り」
孔明が頷いた。
「これ、また、マッチポンプだろ? 」
孔明が口元隠してるから、胡散臭い。
「何をおっしゃるやら、我が君」
孔明が羽根で出来た扇子で口元を隠して反論した。
嘘つけ。
本当に、つまんない所で、神算鬼謀だからな。
呆れた。
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御慈悲をををを!




