第四十九部 第十二章 変態水滸伝
ボコボコにされてるはずの孔明は平気で笑ってた。
凄い奴だ。
獅子の中に放り込まれて無傷とは。
「ははははははは、困りましたね。そろそろ満足なさいましたか? 」
あまりに打たれ強いので皆が息を切らしてる。
パワーボムからのギロチンドロップと延髄切り。
プロレス技だが、俺には分かる。
プロレスでは致命傷を避けるために大丈夫な所だけ蹴る。
勿論、受ける方の技術も居るが。
今、許嫁達はガチ技で、パワーポムは不完全にして後頭部で受けて首が折れるように、ギロチンドロップも膝で喉をまっすぐに狙い、延髄切りは絶対蹴っちゃいけない所を蹴った。
だが、それでも平気らしい。
強いと言うより、身体がおかしい。
漫画チックだし、人間じゃ無いし、ダメージに耐性があると言うより、身体の構成と組成が違う感じだ。
「汚い。何かやってるよね。身体をいじってるでしょ」
ムラサキがキレてる。
「ははははは、残念。受けるダメージを後で来るようにしてるのです」
孔明が答えた。
「はあああ? 何の為に? 」
「簡単な事です。後で楽しむために決まってるじゃないですか」
「「「「「「「「「「「え? 」」」」」」」」」」」」
皆が唖然とした。
「我が君と結ばれる高貴な方々の攻撃を堪能する。特に先ほどのギロチンドロップは素晴らしい。後であれのダメージを味わう時が楽しみです」
孔明の目がキラキラした。
おい……こいつ……まさか……。
「そのとおりです。我が君。私は痛みで喜ぶタイプでございます」
孔明のキラキラが止まらない。
「くくくっ、変態かよ」
嘘だろ、これすらもマッチポンプなのか。
まさに神算鬼謀と言うべきか。
「ははははははははははは、だからこそ、我が君の全人類変態化計画に打ち震えたのでございます」
孔明が感動に身を震わせる。
「あ、あんた、いつから……」
ムラサキがドン引きしてる。
「はははははははははは。何と言っても、時間がたちすぎましたな。時はいろいろと変えて行くものです」
「などと良い事言ってんじゃないよ! 」
ムラサキが孔明を踏みつけた。
「こ、これも好物でございます」
孔明が嬉しそうだ。
やばい、変態水滸伝かよ。
ドンドン世界の変態が集まってくる。
本当にまともなのが居ない。
許嫁も呆れて孔明をほったらかしにした。
孔明の目がそのせいで寂しそうだ。
辛い。
人魚姫は仕方なしで皆が認める様だ。
特に親子の鈴さんのバックアップが凄かった。
やはり初代の為なのだろうか。
嫌な顔する麗とかに必死に頼み込んでいた。
さらに辛い。
「それにしても、何か見た事のある建物ね」
遅れてきた、燐女さんがあたりを見回しながら入ってきた。
さっきから黙ってたオウさんが息を飲んだ。
あーあー、立て込んでたもんで忘れてた。
どうしたら良いんだか……。




