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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第四十九部 第一章 プロローグ

 何だか、凄く大きな戦いがあるそうだが、そんな事言われても。


 樹老人(じゅろうじん)さんもほっとけないってんで、また、こちらの天界に相談に行った。


 正直、また叩かれるだろうに可哀想すぎる。


 でも、それを俺のせいにされても困る。


「そもそも、俺にいろいろあり過ぎなんだよな」

 

 俺が愚痴った。


「それだけ、期待されていると言う事ですよ」


 アオイが笑った。


「ふふふ、我が君、ご心配なされるな、孔明ここにありですぞ」


 孔明が羽根で出来た扇子を持って答える。


「ああああ、話し中にすまん。本当にすまん」


 チアンウェイがいきなり俺に謝ってきた。


「えええと、嫌な予感がするんだが」


「叔母様がこちらに第一艦隊と第二艦隊と第三艦隊を率いて向かってるらしい」


「ほげげげげげ」


「無線で内々にグォクイ将軍からヨシアキ大佐に連絡があったそうだ」


「ど、どうしたら……」


「ふふふふ、私の出番のようですね」


 孔明が笑った。


「おおお、策があるのか」


「はい」


「驚いた。色恋の方もいけるとは」


 横にいた親父が驚いている。


「何、簡単な事です」


「ほほぅ」


「聞かせて貰おうか」


「我が君は今、あちらの世界の最新鋭の軽空母に乗っておられる事をお考えください」


 孔明が自信たっぷりで答えた。


 ええええと。


 それって……。


「つまり、逃げろと言うのか? 」


 親父が孔明に聞いた。


「違います」


「え? 違うの? 」


 俺が驚いた。


「転進です」


「「同じやん」」


「違います。逃げたと取られれば後で問題になりますが、別に用事が出来たと。つまり、相手の進行方向に全力で移動するわけです」


 孔明が羽根で出来た扇子で口を隠して答えた。


「しかし、それに意味はあるのか? 」


 国王が口を挟んできた。


「時間は稼げましょう」


 孔明が自信たっぷりだ。


「問題の先送りじゃないの? 」


 ムラサキが突っ込んだ。


「いえ、先ほどの我が君の人類変態化計画の件とコンチュエとヤマトの基礎固めを避けておられるところを見て、我が君の性格を考えました策でございます。我が君ならば、この策を御取りになられるのではと臣は具申したわけでございます」


 孔明がすらすらと答えた。


 むむむむむむむむ。


 こやつ、やる。


 俺の性格を読んだと言うのか。


 確かに俺なら一旦逃げて誤魔化す。


 はっきり、問題の先送りをするわけだ。


 それを読むとは。


「なるほど、孔明と名乗るだけはある」


 俺が感心した。


「お褒めにあずかり光栄です」


 孔明が頭を下げた。


「なるほどな。主の性格を読むとは」


 親父も感心した。


「でも、反対方向に逃げてどうするの。どこへ行くのよ」


 ムラサキが呆れたように口をはさんだ。


「ははははははは、ムラサキは大事な事を忘れている」


「何をよ」


「簡単です。星は丸いのです」


「「「「「おおおおおおおおお! 」」」」」


 なるほど、結局、一周はするが、パトリダにはいずれ行けると言う事か。


 これまた、コロンブスの卵のような慧眼。


 恐れ入った。


 凄いぞ、孔明。

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