第四十八部 第七章 天下二分の計
「よろしいですか。我が君。問題はどちらか一つの星しか残らない。それが問題なのです」
孔明が答えた。
「なるほどな」
「つまりは一つの星しか残らないと言う事を考えないといけません」
「むう、つまり、移民をしろと言うのか? 」
俺が聞いた。
「いえ、陸地の問題がございます。それで臣はこのように思います」
孔明が、こちらの世界らしい地球儀を出した。
「これが、この星の地球儀です。実はあちらの世界と分離されたと言えるこちらの世界は寸分たがわず、星の大きさは同じなのです。そして、コンチュエ、ヤマト、エテルノ、テーラの場所を見て気になりませんか? 」
俺が、その地球儀をじっと見る。
「ま、まさか、星の半分側に国が偏っていると言いたいのか? 」
「そのとおりです。我が君。あちらの星は先進国の主だった国が上側に。そして、こちらの星も強国の主だった国は上側なのです」
いきなり孔明がとんでもない事を言う。
やばすぎる話だろうに。
「だから、どういう事なんだ? 」
カルロス一世が横で訝しげに聞いた。
「つまり、事は簡単です。あちらの上半分とこちらの上半分を真っ二つにしてくっつけてしまえばいいのですよ」
孔明がキラリと目を輝かした。
「「「「「「「「「「「「「「「は? 」」」」」」」」」」」」」」」
甲板の全員が唖然とした。
「なるほど、それで天下二分の計と言うのか」
親父が唸った。
「ははっ」
孔明が軽く一礼した。
いやいや、真っ二つだから二分の計?
いやいやいや。
何だそれ?
そもそも切り捨てられる国はどうすんのよ。
「いや、いくらなんでもそんな無茶な」
シャーロットが呆れた顔をした。
「いえいえ、貴方の旦那様はこの程度、簡単なほどの力をお持ちなのですよ」
孔明がほほ笑んだ。
「「「「「ええええええええ? 」」」」」」
シャーロットや向こうの世界の人間がドン引く。
「しかし、捨てられる半分の人達は」
「それは安心です。先に人を移動させればいいし、こちらの星は殆ど人の住んでる島はありません。あちらの世界は良く見てください」
「良く見るとは? 」
「我が君の奥様方の国はほぼ上半分に揃っております。いかがですか? 」
孔明が羽根で出来た扇子で口を隠して答えた。
「……なるほど、犠牲は仕方ないですね」
シャーロットさんがほほ笑んだ。
ええええ?
シャーロットさんの性格が変わってないか?
「これは一考の余地ありだな」
国王が頷く。
「これなら、双方が生き残ると言う事か」
カルロス一世も考え込んで答えた。
「え? こんなのでいいの? 」
樹老人さんが凄い顔してる。
「いかがでしょう我が君」
孔明がじっと俺を見た。
「まあ、どうするかはまだ先の判断だが。三顧の礼。やらして貰おう。君は今日から私の軍師だ」
俺がきっとして答えた。
とりあえず、本人には言わないが、試用期間と言う事で。
一応、伏竜鳳雛のうちの伏竜が手に入った。
果たして、鳳雛は来るのだろうか。
だんだん、コーエーのゲームみたいになってきた。
どこまで行くんだろう。
恐怖も感じる。




