第四十八部 第三章 ヘリ
その時、軽空母に向けてヘリコプターがやって来た。
ヤマトの国のマークが書いてある。
「おや、誰だろう? 」
訝しげに俺がヘリを見た。
「おおおお、やっと来たな」
国王と宰相とイジュウイン大公の極悪トリオが俺の横に来た。
「え? 誰か呼んだの? 」
「スギモト公爵とミタライ公爵だ。今回のコンチュエの件の詳しい説明をするそうだ」
ヘリが軽空母から降りるとスギモト公爵とミタライ公爵が降りてきた。
「これは陛下に王太子殿」
スギモト公爵が敬礼した。
それに合わせてミタライ公爵も敬礼する。
国王達があわせるように敬礼した。
俺はしなかったが。
「で、どうしてこうなったんだ」
国王が聞いた。
「は! とりあえず、女帝様から気迫のお願いが来たので、了承しました」
スギモト公爵とミタライ公爵が敬礼して話す。
「なるほど、怖かったわけか」
宰相が問い返した。
スギモト公爵とミタライ公爵が二人で頷いた。
「では、仕方がないな」
国王が頷いた。
いや、どこが詳しい説明やねん。
「待ちなさい。勝手な話は私が許しませんよ! 」
レイナさんがやって来た。
国王達とスギモト公爵とミタライ公爵がびくりと固まる。
さすが、ヤマトのラスボス。
凄まじい威圧感だ。
「じ、実はコンチュエの皇帝からこんなものを預かっております」
スギモト公爵が恐る恐る絹の包みに仕舞われた物を出した。
巨大な産着だ。
なんだ?
こんな巨大な子供なんて居るのか?
レイナさんがそれを拡げて眉をひそめた。
「これで、旦那様をともに赤ちゃんとして愛しく扱いたいとの事です」
な!
あれを着るのは俺かよ!
赤ちゃんプレイの誘いだと?
「まあ同じ愛好者だったのですね」
レイナの顔が一気に和らぐ。
「「ははっ」」
スギモト公爵とミタライ公爵がきっと敬礼する。
「なら、仕方ありませんね」
レイナさんがその巨大な産着を拡げて鼻歌を歌ってる。
やばい。
また軽空母のクルーの目がキツイ。
何と言う事だ。
「おや、シャ〇ではないか? 」
ヨシアキ大佐が横に居るクニヒト大佐にミタライ公爵が声をかけた。
「シャ〇とは違うのだよ、シャ〇とは」
格好は違うのだけど、クニヒト大佐が池田秀〇さんの声で答えた。
くっ、長い間の洗脳教育の凄さか。
思わず、池田秀〇さんの声で反論してしまうとは。
マスクもつけず、金髪ではないが、動きがシャ〇のものに変わってる。
「私も旦那様によちよちしたいですわ」
レイナさんに嬉しそうにソフィアが話しかけてる。
まあ、すっかり馴染んでしまって。
「ソフィア! 一体、どういう事なんだ! 」
いきなり、ヘリコプターから操縦してたパイロットが降りてきてヘルメットを外した。
少し赤毛の癖のある髪の白人の男だ。
誰だっけ?




