第四十四部 第十一章 提案
いきなり、辺りを揺るがす爆発が起こる。
「な、何? 」
「爆龍王ゴウオウの最大級攻撃です」
アオイが答えた。
「ど、どこへ? 」
「巨人に撃ちましたが、思いっきり外れて、海で爆発して、物凄い爆発を起こしてます」
「全然、当たらんな」
「これから連続でぶち込むから、どれか当たると言って元気ですが」
「おい! 」
あかん。
「ちょっと、止めて。いくらなんでもまずいわ」
母さんがアオイに頼んだ。
「リヴァイアも今度こそ猛爆攻撃をって騒いでるんだけど」
ミツキも困ったように聞いてきた。
「最近、過激だな」
「海が汚いって騒いでたから」
「むう、環境問題か」
「シーサーペントも活躍したいって騒いでんだけど」
「困ったな」
「皆、ユウキ様に良い所見せようと必死なんですよ」
アオイが笑った。
「ちよっと、そのくらい人間に好かれなさいよ」
母さんがため息ついた。
「ぼっちにハードル高いな」
「人間全部殺したら、後はモンスターだけだし、それで良いのでは? 」
アオイが凄く良い笑顔だ。
「おお、その手があったか」
「あほかぁぁぁぁ! 」
母さんの空手チョップが俺の頭に叩き込まれた。
いてぇぇぇぇぇ!
頭を抱えたものの嫌な気配を感じた。
俺がいきなり、膝蹴りを虚空にかます。
黒いドロドロが飛び散る。
「うわ、こっちもまた来たよ」
親父がそれに合わせるかのようにハイキックで虚空に円を描く。
ドロドロの黒いものが壁にべちゃりとぶつかる。
「姿は見えないから厄介だな」
「打撃食らうと血が出たみたいにドロドロの黒い奴が出るみたい」
「いや、そう言いながら、ちゃんとヒットさせてるし。良くやるな。全く分かんないぞ」
カルロス一世が呟いた。
「何か、変な気配があるんだよね」
「それに合わせて蹴ってるだけだからな」
「それだけで十分凄いと思うけど」
ミツキも呆れ顔だ。
「とりあえず、そのドロドロは僕がやろうか? 」
ゼブが聞いてくきた。
「それしか無いよね。俺達じゃ無理だし」
そもそも不死なのどうやって倒せばいいんだか。
「ちょっと、爆龍王ゴウオウが攻撃撃ちたい攻撃撃ちたいってめちゃくちゃ五月蠅いんだけど。アオイが止めたから、私に言って来ても困るんだけど」
「何で、そんなに攻撃したいのかね? 」
「スカッとするからじゃない? 」
「一理はあるな」
親父が頷く。
「無いわ! 」
母さんが怒鳴った。
「とりあえず、何か、めんどくさくなってきたんで、一旦、向こうへ戻る? 」
「「「「はあああああ? 」」」」
皆が一斉に唖然とした。
「一体、何のために帰って来たのよ」
母さんが呆れ果てて答えた。
「とりあえず、里帰り? 」
「いや、今後の事について相談するんじゃなかったのか? 」
樹老人が聞いた。
「とりあえず、連絡は今後取れそうだし、何かドンドン破壊が増えていくような気がする。早いうちに向こうに戻った方が被害が少なさそうだけど」
「私は反対だな」
国王が答えた。
「……秋葉原ですか」
「そのとおりだ」
母さんが国王を更に蹴飛ばして壁に叩きつけた。
懲りない人だな。
感心するわ。




