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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第四十四部 第八章 自爆作戦

「ちょっと、待って、ソフィア達がいるんだけど」


 シャーロットが困ったように答えた。


「まあ、母さんが守るだろう」


 親父があっさりと答えた。


「一応、万が一の時も考えて、私が何とかしておきますから」


 アオイが笑った。


「お義母様とアオイがいるなら安心ね」


 シャーロットがホッとした様だ。


「私達も連れて行ってくれるんですよね」


 フィーネ姉妹が聞いてきた。


 アオイが俺を見た。


「まあしょうがないね」


 ミツキが答えた。


 なんとなく、このままなし崩しに嫁になっちゃうような気もしたけど、ここで戦うよりはいいか。


「爆龍王ゴウオウはどうすんの? リヴァイアも居るんだけど」


「ああ、八丈島から離れた場所に母さんの持ってる島があるから、そこにテレポートさせれば良いんじゃないか? あそこは不可視装置もあるし」


 親父が軽いノリで答えた。


「それが、良いじゃろ」


 祝融さんも頷いた。


 それにしても、どんだけ金持ちなんだよ。


 アメリカ産の赤身肉の特売の見切り半額シールつきステーキで喜んでた俺の過去を返せ。


 スジの煮込みとかでも贅沢だったのに。


 黒毛和牛のロースステーキを毎日腹いっぱい食えたんじゃないだろうか。


 ひょっとすると松坂牛なんか余裕だったかも。


「どうしたの? 」


 ミツキが聞いてきた。


「いや、こんな金持ちなんて知らなかったから」


「私は知ってたけど」


「何ですと! 」


「ふう、とうとう言わなきゃなんないか」


 親父が深いため息をついた。


「な、何かあるの? 」


「ああ、深い理由だ」


 親父が憂うような顔をした。


「父さん、母さんに怒られた時に、いつもお前を盾にして連れて逃げてたんだよ」


 親父がしみじみと悲しい顔をして言った。


 ふざけんな。


 何、やってくれちゃってんの?


「まあ、息子なら、母親は一緒に潰すなんて出来ないからな」


 祝融さんも頷いてる。


「それは仕方ない事だろう」


 国王達も言いながら頷いた。


「いやいや、それはいくらなんでもおかしいだろ」


 俺が抗議した。


「ふっ、お前が俺と同じ立場ならどうする」


 親父が俺をじっと見た、


「息子を盾にするな」


「だろう」


 親父が良い笑顔だ。


 むう、仕方の無い事なのか。


「そんな訳で、逃げだした当時は金が無いから、貧乏なものしか食えなかったと言う訳さ」


 なんか、親父が良い話みたいに言うのが納得できないが、まあ、俺でも息子を盾にはするだろう。


 母さん怖いから。


 そう言われると責める事が出来ない。


「さあ、話もついた事だし、自爆と行くかぁ」


 親父が皆を見回した。


「ま、待ってください。別に自爆しなくても良いんじゃないですか? 」


 ヨシアキ大佐が我慢できなくなったように突っ込んできた。


「味方も一杯いるのに自爆するの? 」


 クニヒト大佐も突っ込んできた。


「まだまだ、君達は若いようだな」


 祝融さんが笑った。


「また、ですか? 」


 ヨシアキ大佐の顔が引き攣る。


「「「「「「自爆は男のロマン! 」」」」」」


 親父と祝融さんと国王と宰相とイジュウイン大公が叫んだ。


「むう、ロマンなら仕方ないね」


 俺が頷いた。


 男のロマンと言われたら、誰も逆らえないや。

  


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