第四十四部 第四章 リアンファさん
お休みの日にPV 70万超えましたのでお祝いで一本追加投稿します。
読んでいただいて本当にありがとうございます。
「旦那様っ! 」
いきなり、リアンフアンさんがテレポートして来て背中に抱きついてきた。
あれ、そう言えば、ここのところずっと見なかったな。
「どこへ行ってたの? 」
チアンウェイが不思議そうに聞いた。
「いろいろと便宜が図れるように、こちらの世界の聖地らしいところに、聖樹の苗をあちこち植えてきました」
おい。
それ、侵略って言わないか?
なぜ、厄介事が二つも出てる時にさらに厄介事を増やすのか。
「それで、テレポート出来るようになったんだ。確か、聖樹が無いとリアンファはテレポート出来ないはずだものな」
チアンウェイが納得顔で頷いた。
いや、納得するなよ。
どうすんだ、これ。
「侵略行為と取られないと良いんだけど」
ミヤビ王女が心配そうな顔をした。
「確かに、そう取られても仕方ないかも」
シャーロットも肯定した。
まあ、俺もそう思うし。
「でも、こうやったら、双方の世界の産物の仕入れが簡単になりますよ。旦那様が商人やってらっしゃると聞いて喜ばれると思ってやったんですが」
リアンファンが恐る恐る俺を見た。
「いや、ありがとう。これなら、儲かるし。嬉しいよ」
俺が手を握ったら、ヒモ・モードもあってリアンファンがヘロヘロになった。
「さしゅが、だんなしゃあまぁぁぁぁぁ! 」
「でも、時空の割れ目を探せば移動は出来るけどね」
アナスタシアが笑った。
「いや、聖樹なら一気に移動出来るんだろう。輸送コストも無いし」
「これなら、秋葉原で買占め出来るな」
いきなり、国王が俺の横に居る。
「素晴らしい。アニメショップが開けるかもしれませんよ」
宰相も感動している。
「むう、その手があったか」
俺も感動している。
電気の為の本格的な発電システムも売れるし、テレビもビデオも売れる。
やばい、喜びで顔が崩れそうだ。
こちらの世界じゃ、もうすでに限界だろうけど、あちらの世界はまさにゼロ状態に近い。
これはあの伝説のアフリカに靴を売るって奴じゃねーか?
テレビが売れればコンテンツも売れる。
やばい笑いが止まらない。
「あ、あのな。<終末の子>の責務は? 」
樹老人が悲しそうな顔で立ちすくんでいる。
「まずはビックウェーブに乗ってからですよ」
「そのビックウェーブの間に全部終りそうなんじゃがのう」
「それはそれ。これはこれです」
「ええええ」
「だって、そうじゃないですか。良くラノベとかであるじゃないですか。魔王倒したら用無しみたいな。まさに狡兎死して走狗烹らるのオチですよ。<終末の子>が終わっても退職金も出ないんですよ。許嫁だって一杯いるんです。彼女達や産まれてくる子供達も面倒見なきゃいけないんですよ」
俺が樹老人に説明した。
ふふふふふ、彼女達や産まれてくる子供達の面倒というパワーワードで味方百倍だ。
「その通りね」
シャーロットも頷いた。
「馬鹿みたいに勇者として頑張って、失業したら目も当てられないしね」
キョウカさんも笑った。
「いや、お前、次のヤマトの国王じゃね? 」
国王が突っ込んできた。
でも、無視する事にした。
だって、にんげんだもの。




