第四十四部 第三章 宣戦布告
そんな会話をしている時に警報が鳴る。
「何だ? 」
「どうしたの? 」
フォログラフィーの中の母さんが周りの人に聞く。
「それが、市松人形が侵入して来てまして。カメラにいくつか撮られているんですが」
「ええ? 病室の方は? 」
「間違いなく鈴は寝たままです」
マジか。
本当に鈴は多人数だったのか。
「とりあえず、何人か探索させてちょうだい」
「私がやりましょう」
ふとフォログラフィーの中に懐かしい人がいる。
ウィリアム=マーシャル……スカーフェイスさんだ。
「お願い出来るかしら」
「仕事ですから」
ちらりと俺達を見たが無関心に去って行った。
むう、冷たい。
「目の色に関わりたくないって感じがありましたね」
アオイが笑って答えた。
「あ、思い出した。貴方達、触手職人とか言って、触手エロとか馬鹿な事やってたよね」
「はい? 」
「とりあえず、その辺のお話もお兄様方にもお聞きしたいんですが? 」
母さんの声が冷たい。
非常に冷ややかだ。
むう、藪蛇であったか。
「あれは、シュウジの提案だからな」
国王が爽やかに親父に振る。
「兄貴が俺達に紹介してくれたもんで」
宰相も良い笑顔だ。
「ええええ? ノリノリだったくせに……」
親父が悔しそうだ。
「貴方がそんな事だから、息子が! 息子が歩く十八禁みたいになっちゃったんじゃないの? 」
母さんがキレ気味だ。
せっかくフリゲート艦破壊で発散したのに、ヒモモードで逆戻りとは、切ない。
「いや、元から十八禁だぞ」
「はぁぁあああ? 」
親父がとんでもない事を言う。
「いやだって、エロ本隠し持ってたじゃないか」
「健全な男の子なら、当たり前だろ」
と言い返したのがまずかった。
「どういう事? 」
ミツキの顔が怖い。
「え? エロ本駄目なの? 」
衝撃である。
まれにそう言うタイプ居るらしいが……。
「まあまあ、ミツキ、ああいうものは男のバイブルだよ」
国王が言った途端、ジャーマンスープレックスで後頭部をレイナさんに打ち付けられた。
「親父だってアニメのエロ抱き枕を持ってただろ? 」
と言いながら、さらなるやばい方向へ持っていってしまった。
「そう言えば、そんな話もあったわね」
言いながら母さんのまとめていた髪がばさりと一部が母さんの額の前にかかる。
こええ。
顔つきが尋常でなくなっていく。
「もう良いから、貴方達は大人しくしておきなさい」
母さんがブチ切れて言った。
そのフォログラフィーが切れる寸前に、母さんのそばにいた姉妹のような十八くらいの双子の美少女二人が俺に向って、並んでキスの口真似をした。
メイド服を着て、黒髪碧眼の印象的な美少女だ。
おい。
「あららら、ロックオンしたつもりかな? 」
エレネが怒りで震えて言った。
「あれ、フィーネ姉妹だよね」
シャーロットの顔が怖い。
「挑戦かしら」
レイナさんが静かに呟いた。
怖すぎる。
何で、火に薪をくべていくんだよ。
どう考えても、とんでもない事になりそうだ。
とりあえず、その時の俺達はまだ気が付いて無かったんだって思っとこう。
考えると頭痛い。
昔、中学生の時に、そう言うエッチな本の通販にドキドキしながら注文出した友人が居て、外人の美少女ノーカットとか言う宣伝の商品を注文出したら、何とアマゾンの裸族の写真集が来た。
勿論、外人の美少女のノーカットは嘘では無い。
逆に友人は感動して、今度はどんなのが来るんだろうと局部拡大と言うエロ本を注文したら、何と普通の安いエロ本に虫眼鏡がついて来た。
友達は感動して凄い経営者だと熱く語っていた。
ちょっと、この話書いて思い出しました。




