第四十四部 第二章 やっちまった
「まあ、旦那様が悪いんじゃないですが……」
シャーロットが深い深いため息ついた。
「失敗したぁ! 失敗したぁよぉぉぉぉぉ! 」
俺が呻く。
あの後、俺は母さんに監禁させられて、俺が帰ってきた時の為に作ってあった部屋で許嫁達と一緒に居る。
国王達も別の部屋を貰ってるのだが、とりあえず、何故かいる。
「凄いトラウマになりそうだね。ソフィア」
エレネがため息ついた。
「と言うか、ちょっと、火がついたから、止まらないんじゃないの? 」
アナスタシアも困り顔だ。
「あの人、一応、子供の時からの婚約者いるはずだから」
「NTRですね」
ムラサキが嬉しそうに囁いた。
「ちょっと、あれは可哀想だよ」
チアンウェイが突っ込んだ。
「確かに衆人環視の前でいくと言うのもな」
龍女さんもため息ついた。
「両親の前でいった後に飛び付いてしゅきしゅきホールドですもんね」
レイナさんも容赦ない。
「と言うか、光ったせいで、少なからず、あのパーティの女性は何とか保ってたけど、何人かは火がついてると思うよ」
ミヤビ王女が困った顔してる。
「まあ、神族のトップクラスだから、あれで乱れるって事は無いと思うけど、でも、接触したら流石に駄目なんだね」
シャーロットも本当に困惑してるようだ。
「昔からお義母さんの護衛と御付をやってるフィーネ姉妹が目がハートになってたから、まだなんかあるかもよ」
エレネもため息ついた。
ヤバイな。
「ここは、もう、とっとと秋葉原にでも行った方が良いのかね? 」
「それだけど、女の人と接触しないようにしないといけないから、それどうするの? 」
ミツキが心配そうだ。
「東京は混むからなぁ」
俺がぼやく。
そしたら、部屋の真ん中にフォログラフィーの柱のようなものが出た。
母さんだ。
「あの変なヒモ・モードとかって言うのって解除できるの? 」
「どうなんだろ? 」
「精霊に聞いたら? 」
ミツキが横で答えた。
「ええと、いる? 」
「いるけど、無理じゃないかな 」
無情な事を精霊さんが言う。
「どうして? 」
「同じACTⅢだけど、多分、外で簡単に発動しないように自分でコントロールを無意識にしてたんじゃないかな。それで、ここの所は何も無かったけど、流石に接触はその抑えられてた分も出てヤバイ」
「マジでか」
「どうしようか。とりあえず、閉じ込めて鎮静剤打ったんだけど、旦那しゃまに会いたいって泣いてるし」
母さんが頭を抱えてる。
「どうしたら良い? 」
「何か、元々なんだけど、そういうふうに女性を落とす方向に才能があるんじゃいかと思うんだけど」
精霊さんが困ったような顔で言う。
「「いやいやいや、無いわ」」
母さんと俺が同時に手を振った。
「いや、でも、おかしいよ? 効きすぎだもの。根源的な部分で何かあると思うんだけど」
精霊さんが言った。
「ああ」
アオイが声を漏らす。
「何かあるの? 」
「ちょっと、言えませんが、確かにあってもおかしくないです」
アオイが答えた。
「禁忌って事? 」
「最上位禁忌です」
「はあ、どうにもなんないじゃん」
母さんがため息をつく。
「すいません」
アオイが頭を下げた。
「ソフィアの婚約者の問題があるからな。この際だから、男もヒモ・モードでできるようにして、両方許嫁にするか? 」
親父がフォログラフィーの中でアホな事言った。
「良いですね」
精霊が乗り気だ。
アオイがぎりりと精霊を捕まえたので、精霊が悲鳴を上げてる最中に、フォログラフィーの中で母さんのローリングソバットを胸に受けて親父が吹き飛んだ。
駄目だ、こりゃ。




