第五部 第十章 エピローグ
あれから、サンシュ一世国王とウラカ第一王妃とフレイタス公爵と話し合いをして、今回の事は爆龍王ゴウオウがテーラを襲い、その結果、たまたま通りがかったリヴァイアサンが、それを撃退したと口裏を合わせる事になった。
ペドロ王太子は奇跡的に無事で、そのペドロ王太子を守りたいが為の措置みたいだ。
俺達はたまたま王宮に呼び出されて、巻き込まれただけ。
轟天や、その他も誰も見なかった。
まあ、それで公的には強引に収まった。
ただ、いろいろとバレバレな上に、たくさんの人も亡くなったり、町が破壊されたりした為に、かなり、今後はゴタゴタしそうだ。
変な噂も広がったみたいだし……。
まあ、あまり考えないようにしよう。
にんげんだもの みつを
グアルダを早く去ろうと、港に来た。
特別にテーラで最高速の帆船を用意してくれたのは恐らく善意で無く、早く出て言ってほしいんだろうな。
「まあ、義兄弟を守ろうとして、お兄ちゃんが覚醒すんのは良いんだけど、そこは私とかアオイとかムラサキを守ろうとして覚醒して欲しかったな」
ミツキが口を尖らした。
「ミツキやアオイやムラサキでも覚醒したと思うよ」
まあ、真面目な話、俺達は家族なのだ。
家族を守る為なら、当たり前の話だろう。
ミツキが嬉しそうに俺の左手に絡んだ。
「あのさ、言わなかったけど、こっちって、兄弟でも結婚できるのよ」
少しミツキが顔を赤くした。
「はああああああぁぁぁぁああ? 」
なんですと?
「ええ、ヤマトの国王も二人妹さんと結婚してますよ。両親や叔母や叔父は流石に駄目ですが」
アオイが笑顔だ。
「おかしいでしょ! 」
俺が言った。
「いや、この世界、子供が出来ちゃえば強制結婚だから」
ミツキがにこっと笑った。
「兄弟。当たり前の話だぞ」
「いや、どうなのよ? 」
俺がムラサキにも聞いた。
「ごく普通の事です」
ムラサキが頷いた。
「だから、私の事も考えてくれてもいいのよ」
ミツキが頬を染めて笑った。
いや、それはおかしいだろ。
「ところで、ミツキさん、聞いていいですか? 」
ムラサキがミツキに聞いた。
「何? 」
ミツキが首を傾げる
「ユウキ様の力って願えば願うほどそれを実現する力ですよね」
ムラサキが顎に指をやって聞いた。
「ええ、基本はそうよ」
ミツキが頷いた。
「じゃあ、エッチがよりうまくなるように願えばそうなるんですか? 」
ムラサキが凄くいい笑顔で聞いた。
その時空気が止まった。
空間が歪んだような気もする。
何も見なかった、聞かなかった事にしよう。
だって、にんげんだもの みつを
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