第四十二部 第九章 説教
爆龍王ゴウオウとリヴァイアが元のサイズに戻って、それを見届けたら、俺は母さんの前に正座させられた。
親父も逃げれなくて、一緒に並んでる。
「何で怒られてるか分かる? 」
母さんが目の前で腕を組んだ。
「攻撃が的確で無かったから? 」
俺が手をあげて言った。
「違う」
「抱き枕か? 」
「違う」
「銀の甲冑を汚しちゃったから」
「違う」
「祝融さんとある企業の配当を使い込んで飲んじゃったから? 」
「あああああああああああああああああああ! 」
祝融さんが柱の陰で大きな声をあげた。
「ど、どういう事かな? 」
母さんのピクピク感がハンパ無い。
慌てて、祝融さんも一緒に並んで正座した。
「分からんな」
俺が首を傾げる。
「何で、分かんないのかな? 」
母さんの怒りゲージがたまり始めてるやばい。
「むう、留守にしたのはこちらの天界に話が合ったのだが、何があったのですかな? 」
タイミング悪く、樹老人さんがテレポートして来た。
そういや、ずっとこちらについてから居なかったな。
最近、影が薄いや。
「と、思ってるよ」
言わなくてもいいのに、カガが俺の心の中を樹老人に説明した。
「お前、わしは先に挨拶に行ってくるとお前にも言ったじゃないか! 」
「そうでしたっけ? 」
「わしがお前の件で、あちこちで一体どうすんのかとか叩かれてるのに……」
樹老人が涙ぐむ。
「いや、それは私にも責任がありますから」
母さんが顔を歪ませて謝る。
「いや、母さんのせいじゃないと思う」
母さんと樹老人がおおって感じで俺を見た。
「全部、社会が悪いんです」
俺が答えた。
イッツ、パーフェクト。
リベラルならこれは最高の答えだろう。
「馬鹿じゃないのかな」
母さんが俺を踏みつぶすように足で俺を踏んで震えてる。
「母さん、風邪かい? 早く休んだ方が良いよ」
「お前も責任を痛感しろ! 」
親父が心配そうに言って、俺と同じよう母さんに踏みしだかれている。
「「何がいけなかったんだろう」」
俺と親父が母さんに踏まれながら、困惑した。
母さんがその場に崩れ落ちた。
「彼の場合、あれが素だからな」
クニヒト大佐がひそひそ言う。
「ずっと、見てたんだが。もう無理なんじゃね? 」
カルロス一世の会心の一撃の一言で皆が一斉にため息をつく。
「いやいやいや」
ヨシアキ大佐が俺をフォローするようにカルロス一世に突っ込んだ。
「何か、義兄が言ってるとおり、ヤマトのあらゆるエキスを集中したような性格なんだもの。しかも、二代に渡って頑強になってるし。もう、責めるより、これをどうにか活用していく方が良い」
カルロス一世が皆を見回した。
流石、天才と呼ばれた男だ。
この絶望的状況で、それでも未来を切り開こうとするか。
「と、思ってますよ」
カガがまた俺の心を皆に説明した。
「「「「「「「「「「絶望的状況は誰が原因なのか理解しろよ! 」」」」」」」」」
一斉に皆がハモってドルビーサラウンドで言われた。
非常に納得いかない。