第四十二部 第六章 リヴァイアサン
「ちょっと、駄目だ。義弟のリヴァイアに頼んでくれよ」
俺がアオイに言った。
爆龍王が応戦しないので、ガムビエルがボコボコにされている。
このままじゃガムビエルが危ないのに、爆龍王ゴウオウは火炎攻撃の後は、シャドーボクシングみたいなのをはじめて、自分の力に酔っていらっしゃる。
「分かりました」
アオイが笑顔で言った。
「ちょっと、貴方の義弟ってリヴァイアサンよね」
母さんが慌てて聞いてきた。
「ええ、リヴァイア さんです」
「間を空けても仕方ないでしょう! 」
「ち、ちょっと待って、義弟だって言ってなかった? 」
祝融さんが驚いて聞いてきた。
「ええ、義弟のリヴァイア さんです」
「この子の義弟ってリヴァイアサンなのよ! 」
母さんと俺が祝融さんに説明した。
「えええええええええええ? 」
祝融さんが凄い顔をした。
「おおおっ、でかくなってるな」
親父が海の方を指差した。
そこに全長がニキロ近いリヴァイアサンが現われた。
はっきり言って、凄いでかい。
「リヴァイアさんやってしまって」
アオイが言うと。
「ぐぉぉおおおおぉぉぉぉぉ! 」
リヴァイアが別荘が震えるような巨大な声をあげた。
「ち、ちょっと、黙示録の獣じゃないですか! 」
祝融さんが慌てている。
「義弟ですから、もっとやさしいものですよ」
俺が祝融さんの叫びで、動揺しまくる軍人の皆さんに笑って答えた。
「「「「「いやいやいやいやいやいや! 」」」」」
軍人さん達が一斉に首を左右に振った。
「リヴァイアの猛爆攻撃出ます」
アオイが皆に告知した。
リヴァイアの口が開いて、凄まじい光の集束が始まる。
「うあああぁぁあぁぁああぁ! 」
祝融さんのキャラが変わってしまったような叫びが響く。
リヴァイアがしゅんと言う音とともに、発射した。
間違いなく、巨大な巨大な人の影に当たると見えた。
が、その巨大な巨大な人の影はしゃがんだ。
「あああああ、しゃがみやがった」
親父がそれを見て叫んだ。
結果、リヴァイアの光線は上に外れた。
その先には月があった。
「あーあ」
リヴァイアの攻撃が外れちゃったんで、がっかりした。
しばらくの後、月の一部で真赤に爆ぜるような爆発が起こった。
「「「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおお! 」」」」」」」」」」」」」
全員の地響きのような驚きの声が響く。
まさか、月に当たるとは。
「ちょっと、ちょっと、何やってんのよ、馬鹿息子! 」
母さんが俺の胸倉掴んでゆさゆさする。
「待って、待って」
「リヴァイアから連絡です」
その時、アオイが俺を見た。
「何だって? 」
「てへっ、だそうです」
アオイがてへっで舌をぺろりと出してにこっと笑った。
むう、どちらも可愛い。
「「いやいやいやいやいやいやいやいや! 」」
祝融さんと母さんが首を左右に振った。
「何か、リヴァイアも兄弟に似てきたな」
アポリトが冷やかに言った。




