第四十二部 第三章 チアンウェイ
「で、あのあちらの柱の陰でちらちら見てる子はどなた? 」
母さんが柱の陰からじっと母さんを見てるチアンウェイに気が付いて俺に聞いた。
「ああ、現実と理想の区別がつかない子です」
「はあ? 」
「お義母さまに憧れているらしくて」
アオイが横で言った。
「って、現実と理想の区別ってどういう意味よ」
俺を母さんが睨む。
「まあ、夢見過ぎると辛いってあるものな」
親父が気絶から身体を起こして呟いた。
「ほほほう。後で聞こうじゃないの」
母さんが頬をピクピクさせて俺と親父を睨んだ。
「一般論ですから」
親父が正座してにこやかにほほ笑んだ。
「ったく、チアンウェイさん、貴方もこちらに座ってください」
母さんがチアンウェイに声をかけた。
しかし、首を左右に振って、おどおどしてこちらに来ない。
「結構、大人しいのね」
母さんが笑った。
「「「「「「「「「「「「「猫を被ってるだけです」」」」」」」」」」」」」
その場にいる全員がハモって答えた。
「おいっ! 」
チアンウェイが柱の陰から突っ込んだ。
その時に、いきなり、部屋に八メートルほどの大きさの巨大な白いオオカミが現われた。
この気配は間違いない、大いなる口だ。
向こうでは、王城と同じ大きさだったのに、サイズが部屋に現われる為か、小さくなっている。
「アオイ。そろそろ四十六諸侯の造反組もこちらに本気になりそうだぞ」
大いなる口がアオイに注意を即す。
「やっぱり、パトラッ〇ュだったんだ」
俺が目をうるうるさせる。
「何なんだよ、それは? 」
大いなる口が呆れたように言った。
「僕はネロだよ。分からないのかい? 」
「分かんねーよ」
大いなる口がケッて感じで俺を見た。
「それしても、サイズは変えれるんだ」
「当たり前だろ。こんなの便宜上の姿でしかないし、サイズなんていくらでも変えれるわ」
大いなる口が呆れたように言った。
「随分、お優しいんですね」
アオイが笑った。
「まあ、昔なじみだしな。ただ、こいつが記憶が戻ったら、やらして貰うぞ」
大いなる口がにやりと笑った。
「え? 」
俺がケツの穴辺りをズボンの上から抑えて、震えて大いなる口を見た。
「なんで、そうなる! 一騎打ちだよ! 一騎打ち! にしても、見事に性格が前世と一緒だな! 良くもまあ、あの難儀な性格そっくりで生まれ変わったもんだ! 」
大いなる口が呆れた顔をした。
「本当に」
アオイが本当に優しく俺に笑いかけてきた。
「正直、わしには何でアオイが嬉しいのか良く分からん」
大いなる口が首を左右に力無く振った。
「……あの、どなた様で? 」
「ああ、わしか。わしは大いなる口と呼ばれてるものだ」
言ったら、母さんが凄い顔した。
すげぇ、驚いてる。
さらに、柱の向こうから覗いてた祝融さんが、さらにト〇とジ〇リーのト〇みたいな顔で驚いてる。
何か、さっきも思ったが、普段渋い古武士みたいな感じの人がこういう顔するとインパクトが凄い。
「ど、どういう事なの? 」
引き攣った顔で母さんが俺に聞いた。
母さんがこんなに動揺するとは驚いた。
やはり、余程ヤバイ名前なんだな。
とりあえず、でも、俺達はあの時はまだ気が付いて無かったんだ。
などとナレーションのように言う事にしておこう。
この手の定番の独白だし。
あらすじは昨日仕事で寝てないので、今日の夜になおします。
後、ぐぐったらネタバレある時は間で入れた方が良いとかあったので、人物紹介は真ん中あたりに入れた方がいいのだろうか?
良く分かりません。涙。