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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
465/2607

第四十一部 第七章 伊達政宗

 なんか知らんが、あっさり元の世界に戻った。


 軽空母の食堂の窓から、外を眺める。


 今度の発生する向こうの世界との狭間がここから近いので、すぐに着くと言ってたが、本当だった。


 その間に、すっかり、俺はヨゴレキャラになっちゃった。


 軍人さん達が物珍しそうに、食堂に来ては俺を見てヒソヒソ話をしている。


 そこには、こちらの支配者の息子を見ると言うよりパンダかなんかの珍獣を見る目をしている。


 心が挫けそうだ。


「まだ、落ち込んでのか? 」


 親父が話しかけて来たってーか、何だよ、その白装束。


「何やってんの? 」


「このまま行けば、やはりただでは済むまい。だからこそ、今、勝負せねば」


 親父が理解不能な事を言っている。


 何を勝負するのだ。


「これで、良いですかね? 」


 ルイス中尉がキリストがされたような十字架のような磔台を持ってきた。


「ああ、これで良い」


 親父が満足そうだ。


「何をする気なの? 」


呆れたようにミツキが聞いた。


「伊達政宗作戦だ」


 親父がまた馬鹿な事を言いだした。


 何を言ってんだか。


「昔、伊達政宗が昔、豊臣秀吉に謀叛を疑われた時に白装束で自分を磔する十字架と一緒に上京して、身の潔白を証明したのだ」


 親父が相変わらず訳の分からん事を考えている。


「おう、伊達政宗ね」


 ルイス中尉が嬉しそうだ。


 最近、日本のアニメのせいか、異様に日本の戦国武将とかに詳しい外人さんが増えてるらしいが、さすがのweeabooだ。


 どんだけやねん。


「ドラゴンのヒモのお前はどうするんだ! 」


 親父がバーンって感じで言う。


 軽空母内のあちこちで女性の軍人さんもいるらしく、クスクス笑われてる。


 無茶苦茶恥ずかしい。


「そもそも、それ、単なるコスプレだよね」


 ミツキが呆れて突っ込んだ。


「いや、母さん、実は日本の戦国大名とか好きなんだぞ」


 親父が頭を掻きながら返事した。


「それ、こびてるだけじゃん。じゃあ、俺は誰にしよう」


 そう言いながらも、俺も必死だ。


 親父が母さんの怒りを回避したら、俺にその分来るだろう。


「京極高次はどうだろうか」


 国王が横から言った。


 妹が秀吉の側室、正室が淀殿の妹で、その威光で出世したと言われて蛍大名と呼ばれた人物だ。


 意外と優秀なんだが、可哀想な人物である。


「いや、それだと謝って無いし」


「素直に徳川家康になって忍耐を示せばいいのでは」


 宰相も口出してきた。


「謝ってんだが、煽ってんだが、良く分かんないんだけど。逆に怒らすんじゃないの? 」


 ミツキが呆れ果てている。


 向こうの世界の許嫁達はこちらの世界が珍しいらしくて窓にはりついて外を見ている。


「海が随分汚いのね」


 キョウカさんとか驚いてる。


 まあ、向こうは帆船とモンスター動力だからな。


「とりあえず、通常航路は進まないで、日本では無く南洋の小島の基地で会う事になるから」


 祝融さんが教えてくれた。


 まあ、甲板に体育座りしたままの爆龍王ゴウオウがいるから、そりゃ、目立つとこは通れなよな。


「まあ、しかし、彼も、こっちの世界に来たらファーストゴジラより小さいからなぁ」


 親父がしみじみとした顔をした。


「ああ、爆龍王ゴウオウならサイズは十倍くらいになれるぞ」


 龍女(りゅうじょ)さんが笑って答えた。


 は?


「サイズなんて、本人の持ってるコアの力次第ですから、変えれますよ。でないとババアが人間型になれるのおかしいでしょ」


 ダグダ師匠が雪龍(せつりゅう)さんをじっと見た。


「そうなんだ」


「動きやすいから、あのサイズにしてるだけであって、本来の力の量なら、あんなサイズでは爆龍王ゴウオウは収まらんよ」


「とはいえ、でかいとマトになりますからね。それであのサイズなのだと思います」


 ダグダ師匠が頷いた。


 と、ふと、凄く嫌なものを目の前に感じて無意識に全力でアッパーカットした。


 何故か何もないのに手応えがある。


 目の前の壁にべちゃりと黒い墨のようなものが人の形でべったりついた。


 何、これ?


 ホラー?


  

 




 

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