第四十一部 第三章 先送り
「まあ、でも、一日三人くらいと見て、ローテーションとか考えるとねぇ」
フランソワさんが地雷な話をしだす。
「え? 全員やってますけど。出来る日は毎日」
ムラサキが返事した。
何で、この手の話だとムラサキは積極的なのか?
「え? どう言う事? 」
やめて、やめて。
ヒモ・モードですでにヤバイ評判がさらに酷くなっちゃう。
「前は一人十五回がノルマでしたね。でも、今はヒモ・モードのせいで私達がいきすぎて気絶するのが早くなったので、前みたいに三日間ぶっ続けとか無くなりましたよ。半日もかかりません。」
ムラサキが凶悪な話を罪の無い笑顔で言う。
口から泡を吹きそうだ。
なぜ、こうなった。
「え? ヒモ・モードって、そんな凄いの? 」
ディエムが驚いてシャーロットやエレネを見た。
シャーロットやエレネにはじまり、紅葉や麗まで耳まで真っ赤になって俯く。
横で頬を染める孫娘を見て祝融さんが眩暈を起こしてた。
「「嘘っ、そんなに凄いの? 」」
フランソワとディエムが本当に驚いた。
「ドラゴンの長老格のわしですらトロトロじゃからの」
雪龍さんが余計な事を言ったせいで、ダクダ師匠が気絶した。
「鳥や魚や虫まで引きつけられるって聞いて尋常じゃないとは思ったんだけど」
胃がいてぇ。
感想が直球過ぎて胃がいてぇ。
ぐはははっ。
最初は俺に対する敵としての警戒感丸出しだった軍人さん達が畏怖の目で見てる。
残念ながらもう人間を見る目じゃない。
くぅぅぅ。
「まあ、アマゾネスの神族の娘を千人も手も触らずノックアウトさせてたし、凄いのは俺が保証しよう」
親父が余計な事を言う。
空気を読めよ。
空気を。
「な、何だって? 」
ほらほら、馬鹿な国王が乗ってきたじゃんか。
「それは凄いですね」
「むう。何とか、わしの娘とか嫁とか全部任せたいところだな」
宰相とイジュウイン大公がにやりと笑う。
勿論、娘達にボコボコに、その後されるが。
「このさい、修羅と猛禽とかアマゾネスとか、世界の神族の強い女性を全部こいつの嫁にするのもありなんだよな」
親父がさらにやばい事を言う。
勿論、ミツキのバックドロップで甲板に頭を打ちつけられたが。
「まてよ。良く考えたら前も言ってたが、この親子はそっくりでしかも強さがそのまま残ってるし、性格の酷さもハンパ無い。もし、このまま甥が神族と結ばれて、甥の形質を受け継いだ最強最悪の子供が成人になれば、それが万人単位とか産まれたら世界は終わるんじゃないのか? この世界の滅びはこの甥の子供達が引き起こすんじゃないのか? って思ってるよ、この人」
カガがカルロス一世を指差して皆に説明した。
心を読まれたのがヤバイと思ったのか、カルロス一世が凄い顔してる。
ほげぇぇぇぇぇ。
「ふふふふ、そんな事を心配してたのか」
国王が笑ってカルロス一世に言った。
「に、義兄さん……」
カルロス一世が思わず呟いた。
「いいかい、そうなるとしても後二十年は先の話だ。後は若い奴等を信じて任せたらいいのだ。どうせ、その頃には私達も引退か死んでるし」
さらっと結論がとんでもない。
国王が無茶苦茶良い笑顔だ。
「これをヤマト王家伝来の秘儀先送りと言うのだ」
続けて国王がバーンて感じで言った。
カルロス一世の顔だけでなく、祝融さんまでまわりの人が全部ドン引いてる。
くはっ、日本の少子高齢化の放置とか年金の放置と変わんない。
やはり、この人達糞だ。