第四十部 第九章 ベトール
金色の上位天使が目の前に現われて、流石に許嫁達も臨戦態勢に入った。
じりじりと、その上位天使と皆が睨み合う。
「ちょっと、待て。ルイス中尉。まさかと思うが、コードギ〇スの新作を見てるのか? 」
親父がずいと手をあげて聞いた。
「はい。見ましたよ。良い話でした」
ルイス中尉が嬉しそうだ。
「ちょっと、すまんけど、中身を言わんでくれ。頼むよ」
親父が必死に手を合わせて言った。
「分かってます。そこはエチケットですから」
ルイス中尉が朗らかに笑った。
「本当に君は素晴らしいな」
国王と宰相とイジュウイン大公が満面の笑顔だ。
「あいつにそっくりの奴が一人増えてるって聞いてたけど、何かたくさんいるんだが……」
現われたオリンピアの天使が凄い顔してる。
「「「「「一族だから」」」」」
俺と親父と国王と宰相とイジュウイン大公が凄く良い笑顔で答えた。
「がぁぁぁあああああぁぁっ! 」
オリンピアの天使がブチ切れた。
「「「「「カルシウム足りないんじゃないか? 」」」」」
俺と親父と国王と宰相とイジュウイン大公が心配そうに同時に言った。
まるでドルビーサラウンドだ。
「やかましいわ! 何なんだこいつらは! 我が名はベトール! 貴様らを殺しに来たものだ! 」
オリンピアの上位天使……ベトールが叫んだ。
「まあまあ、落ち着いて」
目の前に居るカラスが喋った。
「何? カラスが喋っただと? 」
ベトールがたまたま目の前にいるカラスをじっと見た。
「まず、争うより話し合いが大切だよ」
カラスが喋ったと思ったら、横みたら国王の腹話術だった。
そういや、変な特技が一杯あったな。
「争いは何も産まないから」
そばにあった木が喋った。
今度は宰相の腹話術だ。
「お前等の腹話術じゃねーか! 」
ベトールの顔がブチブチにキレてる。
やはりばれたか。
「ははははは、まあまあ。軽い冗談ですよ」
国王が笑顔で答えた。
「あの方がヤマトの国王ですか? 」
シャーロットが俺に囁いた。
「すいません。恥ずかしながら父です」
レイナさんが顔を赤くして伏せた。
ミヤビ王女もユイナさんもキョウカさんも顔を伏せた。
「このビリビリ来る殺気でこういう事が出来るって凄いですよ」
エレネさんも驚いてる。
まあ、単純に地なだけなんだけど。
「貴様等、舐めるのもいい加減にしろよ」
ベトールが震えるように言った。
「まずはご挨拶と言う事で」
国王が横の文官に指で合図すると、重そうなケースを運んできた。
「これはまずはお気持ちと言う事で」
国王がケースを開けて、ずずいとベトールに見せるように渡した。
中には大量の金塊が入ってる。
「は? 」
ベトールの目が初めて困惑の色を浮かべた。
上位天使に賄賂キター!
総合評価が1000超えました。
本当にありがとうございます。
無茶苦茶うれしい。
お年玉みたいなものです。
ありがとうございます。