第四十部 第六章 国王来訪
ドラゴネット達への握手会が終わるあたりで、海に運ばれている船のうち、残る船はうちのイージス艦だけになった。
「良く考えたら、帰るのは良いけど、ガムビエルに運んで貰って向こうの世界に行ったらやばくない? 」
俺が皆に聞く。
「ガムビエルは姿消せますよ」
アオイが笑って答えた。
「良く知ってるなぁ」
「だって、あれ、貴方の元々の配下の十二使徒ですよ」
「は? 」
「ああ、夢で見なかったんですか? それなら、まだ早い話でしたね。すいません」
「ああ、言わなくて良いです」
地雷のような話を聞きたくないので、言わない様にお願いした。
どうも、俺の夢の話はいろいろとやばすぎる。
「何か、見たのか? 」
親父か不思議そうな顔をした。
「いや。昔の昔の話かもしれない夢を見ただけ」
「ほう」
「いろいろとヤバイ話が一杯だったんで、とりあえず、今は考えないようにしてます」
「そうか」
親父も理解してくれて頷いてくれた。
我が家の話は地雷が多い。
知らなかったことにするのが一番幸せなのだ。
「私の船で帰ってもいいですよ」
アナスタシアが笑って答えた。
「私の船もありますし」
エレネも笑った。
「私も呼べば来ます」
シャーロットも俺を見た。
「どうしょうかな」
「ははははははははははははははははははははははははははは」
その時、上空からでかい声がした。
上に巨大なヘリが飛んでる。
CH-53E シースタリオンだ。
アメリカの米軍も使ってる輸送ヘリコプターだ。
わざわざ拡声マイクで話してらっしゃる。
目の前に着陸すると、横にヤマトのマークが書いてある。
そして、俺の顔と王太子機の名が。
勿論、イージス艦にペイントされてたように、横に国王の絵もある。
すげぇ、恥ずかしい。
ハッチが空くと国王と宰相と中央軍の兵士が降りてきた。
勿論、中央軍の兵士がついて来てるのでイジュウイン大公も一緒だ。
普通は近衛が来るんじゃないかと思うが、アンナが心配でかわって貰って来たのかもしれない。
「何しに来たんですか」
「いや、向こうの世界から買ったヘリコプターを見せびらかしに来た」
国王が笑って答えた。
「おーい、正直に言ってどうすんのよ」
「私はいつだって自分に正直だぞ」
国王のきっぱりとした話を聞いて、ヨシアキ大佐が横で恥ずかしそうに顔を覆っている。
「おお、本当に兄貴は向こうの世界から買ったんだな」
「ああ、他にもいっぱい買ったぞ」
「何買ったんだよ」
「とりあえず、ドラケンとか欲しかったんだが」
「ほう、エ〇ア88か」
親父が目を細めた。
ルイス中尉も目を輝かせる。
そういや、アニメもあったな。
ただ、時代的に、兵器がどれも古すぎだろ。
「まあな」
国王が嬉しそうだ。
「とりあえず、A-10サンダーボルトは買った。中古だがな。」
宰相が嬉しそうだ。
「性能よりもアニオタかよ」
俺が呆れて呟いた。
「「「当たり前だ」」」
国王と宰相とイジュウイン大公が胸を張る。
慌ててやって来た、レイナさんとアンナさんが横ですごい顔してる。




