第三十九部 第七章 エピローグ
「夢だったのか? 」
俺が目を覚まして思った。
だが、凄く生々しい感覚が残ってた。
あれは昔あった事なのかもしれない。
酷くそう思った。
ふと、アオイが起き出した。
その顔は夢の中のバイラディーの顔だった。
「バイラディー……」
思わず、声をかけた。
するとアオイの顔がぱーっと明るくなった。
「思い出したのですか? 」
アオイが目の前に来て、必死になって言った。
「いや、夢で見ただけだ」
「……そ、そうですか」
少し、アオイが俯き加減で黙った。
「でも、随分君に支えられてたのは知った。ありがとう」
俺が言うと、アオイがはっとして俺を見た。
そして、凄くやわらかな笑顔で笑った。
それが夢の中のバイラディーの顔に合わさった。
俺とアオイが優しくキスをした。
そこで気がついた。
周りの惨状を。
部屋中汁まみれであった。
しかも、犬神家のように足がいくつも布団から突き出している。
はっと気がつくと、またパンツを被ってた。
しかも、両脇にバイブを挟んだままである。
何と言う再会のキス。
慌てて、頭に手をやると、止まってたバイブがヴィイイーンと動き出す。
クルクルとディルドの部分が回ってる。
むう、何だろう、この雰囲気。
やっちゃったなぁ。
しかも、チアンウェイもリアンフアさんも開通済みらしい。
その横みたら、さらに衝撃の事実が!
雪龍さんも開通済みらしい。
異種格闘技戦かよ。
とうとう、行きつくとこまで行ってしまった。
どうしょう。
「お気になさらずに」
アオイがくすりと笑って言った。
むう、可愛い。
「ところで、最後に聞いていいですか? 」
俺がアオイに聞いた。
どうしても、あの後が気になった。
アトラとテレサはどうなったんだろう。
そして、人間達は……まあ、俺達がいるから大丈夫だったんだよな。
「最後、俺が砕けてどうなったの? 」
俺が恐る恐る口にした。
「あれからですか? 」
「ああ……」
「アトラ様とテレサ様が超モードでブチ切れなさって、すべての世界を破壊しました」
アオイがにっこりと笑った。
「は? 」
「何もかも無くなりましたよ」
「人間世界も何もかも? 」
「はい……それで……」
慌てて、俺がアオイを止めた。
これ以上聞くのが怖かったからだ。
それにしても……意味ないじゃん!
俺の頑張った意味が無い……。
何と言うオチ。




