第三十九部 第四章 夢Ⅲ
そうして、私は心と言うものを覚える事になった。
アトラは一番真似するならと親父が良いと闇の創造主を選んだ。
アトラと私で頼み込んで、闇の創造主のそばで彼の真似をした。
闇の創造主は相手を煽るのが得意で、必ず相手に手を出させてから斬った。
なるほど、これなら、相手が手を出してきたと周りが納得するわけか。
非情に勉強になった。
仕草や笑い方を必死に覚えた。
これが心と言うものなのがいまだに良くわからない。
私と言う自分に対しての言葉も、俺に変わった。
闇の創造主が意外といたずら好きなんで、真似してやってみた。
いたずらをする事が、結局、何がどうなのかは分からなかった。
だが、不思議と楽しかった。
そして、ある日アトラに殴られた。
「親父に似すぎて嫌だ」
仕方ないので、他のまわりから人望のある男の真似も組み込んだ。
少し不条理だが、仕方あるまい。
周りはあまりい良い顔しないし、闇の創造主も最初はあまり良い顔をしないが、乱暴だったアトラが大人しくなったと言う事で、許嫁として祝いの席に呼ばれた。
闇の創造主の横には王妃のような豪奢な女性が並んだ。
彼女がアトラの母だった。
何でも、あの首輪は、その母が闇の創造主を無理矢理旦那にした逸品らしい。
娘にもいい旦那を見つけるようにと譲ったそうだ。
まあ、闇の創造主もアトラの母もあまり俺に良い顔はしてないが、それの関係改善を含め、ニード酒と呼ばれるものらしいが、飲むと陽気になって打ち解けるそうで、それを配下の四十六諸侯と言われる諸侯と創造主の家族と飲むことになった。
後で、知ったのだが、四将と言われるものが居て、俺を良く思ってなかったので、ここで酒に酔ったふりで制裁する気だったらしい。
だが、俺は酒に酔うととんでもない事をする男だったようだ。
危害を加えようしたのに気が付いたら、身体が一瞬にして反応して動いた。
四将とやらを全部ぶち殺した。
その後は覚えてないので、聞いた話だが、アトラが喧嘩かって大喜びで参加して来て、俺が闇の創造主に馬乗りで殴り合いしたり、アトラが母にジャイアントスイングしたり、巻き添えで四十六諸侯の半分が死に、残りの半分が怪我を負うと言うとんでもないオチになったらしい。
しかし、この四十六諸侯は命の代わりをいくつも持っていて、死ぬ事は問題で無いそうな。
逆に戦いを肯定する闇としては強さは正義で、闇の創造主も怪我をしながらも凄い笑顔で、無茶苦茶俺が強いので凄く気に入って貰えた。
まあ、アトラ曰く、良い喧嘩だったらしい。
アトラの母もご機嫌だったし、戻ってきた四十六諸侯の皆と俺は仲良くなった。
それで、結婚が正式に認められようとした時にテレサがブチ切れて乗り込んできた。
テレサも俺と結婚するつもりだったようで、若干アトラの方が強いと思うのだが、引かなかった。
で、逆に双方の創造主の間では、闇と光の対立が凄くなってきたので、もともとは混沌であるし、調整の為にも俺を間に入れて、双方の婿と言う事で行くことに決まった。
双方がもし大戦争になって殺し合いが酷くなる時は止めてくれと双方からお願いされた。
早速、大喜びのテレサに連れられて、光の創造主の方にシャルヴと言う名前をいただいて配下の群臣たちに紹介された。
光の方では、俺はあまり評判良くなかったので、アトラの提案で最初に自分の名前を身体文字の形で自らで表現する事にした。
最初のインパクトが大事だとアトラが熱く語るのでやってみたのだ。
「私がシャルヴです」
良いながら、身体でシャルヴという文字を作ったが、残念ながら、それは完全にスルーされた。
冗談とも思われなかったし、彼らの理解の範疇を超えていたようだ。
だが、光の創造主は肩を震わせて笑いをこらえてたし、最側近の糞真面目で有名なアムルタートが爆笑したおかげで、アムルタートと言う大切な友人を得た。
一部のものには受けたのは受けたのだろう。




