第三十九部 第三章 夢Ⅱ
いきなり、アトラが闇の創造主を殴る。
すると、闇の創造主も殴り返しした。
何だろう、この方達は?
私にしたら、理解不能を超えている。
やはり戦いは闇の創造主に軍配は上がったが、アトラは倒れて闇の創造主は中腰でハアハア言ってる。
訳が分からない。
何でいきなり殴り合いになるんだ?
「こいつ、光の方で、何もやって無い奴を斬った男だろ? 」
闇の創造主が私をじっと見て言った。
「何で斬った? 」
「いや、敵に回るからと処分しただけだ」
「だが、先の話だろ? 」
「結局、処分するなら早い方が良いだろうに」
「ふむ。俺達に考えは近いが、それをやるとそれと仲の良いものも反発するだろうに」
「ならば、それも処分すれば良い」
「そうやって、自分が処分されたらどうする? 」
「それは仕方ないだろう」
私が真顔で答えた。
「悲しくないのか? 自分が消えて何か思わないか? 」
「何を思う必要があるのだ? 」
「なるほどな。自分と言うものが無いようだな」
「そんなものが必要なのか? 」
「お前、自分と言うものが無いのか? 」
アトラが横で驚いたような顔をした。
「自分とは何だ? 意味が分からない。私はずっと処分屋として生きて来たから」
私が呆れたように答えた。
「なるほど、心と言うものが無いらしい」
「ココロ? 」
私が首を傾げた。
「お前、それじゃあ、何の為に生きてんだ? 」
アトラが凄い顔をしてる。
「さあ? 何の為とか考えた事が無かったな」
「それじゃあ駄目だ! 」
アトラはそう言った。
だが、私には理解できなかった。
首輪をつけられてるので、何故か逃げれない。
何でも、これは結婚したい相手に送る誓いの首輪らしい。
ますますもって理解できない。
そうして、一緒に居て一カ月ほどたった。
光の方でもそうだが、闇の方でも男達や女達に良く思われなかった。
処分屋だったから慣れてるが、お礼のつもりでいずれ裏切る奴をまた処分するとテレサに怒られた。
私は善意のつもりでやったと言うが理解してくれなかった。
そんな中、私が処分した物の仲間とやらが、私に復讐しに来たが、別にいつもの通り処分した。
「何故、始末した? 」
今度はアトラが聞いてきた。
「いつもの事だ」
私が無表情で答えた。
すると、いきなりアトラが私に馬乗りになって殴りだした。
意味が不明だ。
「それじゃあ駄目だろうに! 」
アトラが泣きながら私を殴ってる。
理解不能だ。
だが、不思議だ。
不快感を感じない。
私を思って泣いてくれてるのが分かるからだろうか。
物凄く大事にしてくれてるのが分かる。
「お前は心を持て! 」
泣きながら、アトラが叫んだ。
「ココロ……? 」
不思議に思った。
そうしたら、また泣きながら私を殴る。
良く分からない。
だが、それを止めたらいけない気がした。
なせが分からないがそう思った。




