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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第三十八部 第六章 パトラッ〇ュ

「大体、斬り終わったね」


 俺が親父を見ると、親父が刀の血をハンカチで拭っていた。


「にしても、フランダー〇の犬に出てるくせに酷い事するじゃねーか! 」


 親父かアラトロンに怒鳴った。


「何だよ、フランダー〇の犬って」


 アラトロンが呆れたように親父を見た。


「世界名作劇場を知らねーのか? 」


「知るか! 何なんだ、このノリ! 」


「昔からこうだぞ」


「ふざけんな! 」 


「そう言われてもな……」


 親父が呆れたような笑いを浮かべた。


「くくくっ、まあいい。俺はお前のような腐ったひねくれものが大嫌いでな。それで、隣の奴のも大嫌いだったんだが、良いだろう、二人とも俺がぶち殺してやる」


 アラトロンが毒々しい笑みを浮かべた。


「いや、俺は素直なつもりなんだが」


 俺が反論した。


「俺も自分には正直だぞ」


 親父も笑顔だ。


「くくっ、つくづくイライラする奴等だ」


「「カルシウムが足りないんじゃないのか」」


 俺と親父が同時に突っ込んだ。


「があぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁあぁあぁぁ! 」


 アラトロンがブチ切れた。


「短気な奴だなぁ」


 俺が呆れたように言った。


「やかましい! 貴様のようなアホに言われたくないわ! 遠まわしに苦しめてからとか馬鹿な事せずにとっとと潰してやるわ! 」


 アラトロンが手を合わせると、そこから光が噴き出した。


 と同時に、巨大な顎が王宮の別邸ごと、いくつもいくつも連続で現われてアラトロンを噛む。


 五回目くらいまではアラトロンが抵抗して顎を次々と破壊したが、六回目で腹を深く噛まれる。


「ぐはははっっ! 」


 腹に杭のような牙がいくつも刺さって、血しぶきのようなものが飛んで、アラトロンが呻いた。


 抉られた別邸の大きく顎で噛み千切られた建物の風穴の先に、巨大な巨大な白いオオカミの姿が見えた。


「こんところに来ていたとはな」


 白いオオカミが戦意を丸出しにした笑みを浮かべた。


 その白いオオカミの巨大な身体と尋常でない強さは誰にもすぐに理解できるものだったので、別邸にいる近衛達も皆息を飲んで黙り込んだ。


 恐怖を必死に抑えているようだ。


「「パトラッシ〇! 」」


 俺と親父が同時に叫んだ。


 ルイス中尉が目をキラキラさせた。


 横でニコライさんとかメイスン中尉とか凄い顔してるけど。


「は? 」


 白いオオカミが凄い顔してる。


「何という事だ」


 親父が感動してる。


「親父、でも、ルーベンスの絵が無いよ」


 俺が親父に聞いた。


「私が書きましよう」


 ルイス中尉が言うと、壁にマジックで書きだした。


「な、何だと」


 ルイス中尉がおおざっぱだけど、ネロが見たかった「キリスト昇架」・「キリスト降架」を書き上げる。


「凄いな」


 何と言う才能。


 ただ、問題はキリストが初音ミクなんだが、いいんだろうか。


「素晴らしい」


 親父が拍手する。


「そうなると、俺がネロかな」


 言いながら、俺がその場に倒れた。


 腹を巨大な牙に噛まれて貫かれているのにアラトロンも白いオオカミも呆然として、それを見てる。


 カルロス一世とかこちらの世界の人の何か見てはいけないものを見たような顔がハンパ無い。


 反面、ある程度意味が分かるニコライさんとメイスン中尉が恥ずかしいらしくて顔を覆っている。


「すいません、すいません。向こうの世界を代表してすいません」


 メイスン中尉が必死に頭を下げてた。






 

 


 




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