第三十七部 第十三章 エピローグ
皆がパーサーカーしたせいで、コンチュエの王都は無茶苦茶になった。
申し訳ない限りである。
チアンウェイは至近距離で何度もヒモモードactⅢを受けたせいか、トロトロになって痙攣して気絶したまま運ばれてた。
もし、起きてたら、街は破壊され、ドラゴンやサラマンダーの分泌物でべちゃべちゃなのを見て大騒ぎするだろうな。
しかし、サラマンダーまで嫁にするとは……まあ、ワイバーンもだけど。
俺はどこに走ってるんだろう。
何をしているんだろう。
アオイがドラゴネットの時のように交渉してしまって、サラマンダーのメスまで交代で今後は挨拶に来る様だ。
これまた、ドラゴネットの時と同じく、ワイバーンのオスが遠目で睨んでたり、サラマンダーが山の上に並んでたり、微妙に不穏だったりする。
「なんか、こう、あれだな。結局、最初からあちらの世界の許嫁も全部嫁にした方が良かったんじゃないか? 下手に間口を広げ過ぎたんじゃないか? 」
親父の笑いながら俺を見た。
そもそも親父の適当な許嫁決めから始まったのが、今回のこの世界の大混乱だったのに、相変わらず自覚は無いのか、今さらだろう。
「親父、酷くない? 」
俺が親父に文句を言うが、親父はどこ吹く顔でさらに笑った。
「ところで、この盾で俺達を囲んでる人達は何なの? 」
クニヒト大佐の愚痴が出た。
「いや、何か、俺がいると皆、女性が許嫁になっちゃうから、女帝陛下が光避けで寄越した人達だから」
あれから、王城を開放して最初に助けたリアンファさんは俺を見て痙攣しながらトロトロの顔で抱きついて、えらい事になっちゃって。
幸い、チアンウェイが特別なだけで、基本は男社会であるお蔭で女性兵士があまりいないからトロトロになる人は殆ど居なかったけど、助け出したリアンファさんがこうなるとはまさかの展開。
グォクイ将軍の手配で、このように光避けの方々が俺の周りを取り巻くようになったと言う訳だ。
正直、ドラゴンのヒモとか陰口酷くて、救世主とか言われてたのが懐かしい。
アオイが今日泊まる貴賓室の寝室に、倒れてる許嫁達をテレポートで運んでもらってる間に、王宮は壊れたけど、昔使ってた隠居された国王が済んでいた別邸を王宮かわりに使うそうなので、そこで謁見と言う事になり、女帝様と会いに行くのだが、盾で避けられてるから顔が見えないだろうし、この謁見に意味があるのだろうか。
かつてコンチュエを救った英雄としての扱いだったのに、異様なものを見るような危険物扱いに変わっていて辛い。
何と言う罰ゲームなのでしょう。




