第三十七部 第四章 雪龍(せつりゅう)
「大丈夫です。勝つのは旦那様ですから」
白いドラゴンである雪龍さんがいきなり甲板に上空から降りると食堂に居る皆を窓から見回した。
「旦那様? 」
カザンザキスさんが俺とドラゴンを見て、異物を見るような目が辛い。
「げぇぇぇえ? 雪龍のババア? 」
ダグダ師匠が初めて酷い言葉遣いした。
「あ、あんたはダグダの小僧っ! 」
雪龍さんがダグダ師匠を小僧呼ばわり。
ええええ、知り合いなのか?
「まだ、生きてたのか。あの時、すでに2万歳超えてたろ? 」
ダグダ師匠が呆れたように言った。
いつもの言葉遣いじゃない。
「やかましいわ。旦那様の前で年を言うな。我が夫が困った顔をしてるだろうに」
「我が夫って……え?……ガチで、て……を……出したの? 」
ダグダ師匠が初めて俺に異様なものを見るような目で見て辛い。
瞳孔が開いてます。
やばい。
「馬鹿者。私は並みの龍では無い。見よ。人間にだってなれるのだ」
雪龍さんがいきなり人間体になる。
龍女さんに似た龍の角があり、肌が凄い白い、二十後半くらいの美女になった。
「「「おおおおおお」」」
美しかったので、カルロス一世とかニコライさんが拍手してる。
「まてまてまてまて! 何でババアの姿にならないの? 貴方の年ならババアでしょ? 」
ダグダ師匠がいつもの違う言葉遣いで突っ込んだ。
むう、どう言っていいのやら。
「やかましい。私はここから年を取らないのじゃ」
などと胸を張る雪龍さん。
どう言って良いのだが。
「ほら旦那様。このムチムチの身体はどうじゃ」
雪龍さんが胸を揺らす。
でかい。
確かに、胸がでかい。
フランソワさんにも勝るとも劣らずの胸だ。
しかし、どうなんだろう。
「心配するな息子よ。サザ〇さんも年を取らない」
「アニメキャラやん」
いつものノリの良いメイズ中尉もサザエさんはイマイチのノリだ。
「ムチムチの身体ったって意味あるの? 」
ダグダ師匠がいつもと違う言葉遣いで冷やかに言った。
「当たり前じゃ、わしはまだ赤子を産めるわ」
雪龍さんがダグダ師匠に言い返した。
そして、頬を染めて俺をじっと見た。
「えええええ? 」
ダグダ師匠が本当に固まった。
見た事も無いような顔をして俺を見たまま固まった。
胃が痛い。
痛いなんてものじゃ無い。
「頑張れ」
カルロス一世が肩をポンとたたく。
凄く嬉しそうだ。
「種族と言う壁を超えるんだ」
クニヒト大佐が親指立てた。
悲しい。




