第三十六部 第十一章 エピローグ
今、俺はロダンの考える人の形で固まっている。
許嫁達はトロトロの顔してるし。
親父やアポリト達はドン引きの顔してる。
そして、ドラゴネットのメス達はすりすりしてくるし、白いドラゴンも甘えてくる。
そして、さらに向こうのでは鬼のような顔をしたドラゴネットのオス達が俺を修羅の目で見てる。
凄まじい殺気だ。
当たり前だ。
目の前で、ドラゴネットのメス達のNTRを見たのだ。
その怒りは分かる。
逆に一部、喜んで興奮してるドラゴネットのオス達がいるんだけど、何それ……。
横でアナスタシアはずっと笑いが止まらないらしくて、お腹を押さえて転げまわっている。
そして、何か汚いようなものを見たようなまなざしで俺を見てるニコライさんをはじめ、アナスタシアさんの兵士達の目線が辛い。
やっちゃいました。
盛大にやっちゃいました。
もう、ヒーローのかけらも無いね。
断言するわ。
「気にするな息子よ。大切なのは結果だ」
「ええええ? 」
「大丈夫だよ。もうすでに汚れてるから気にしなくても良いと思うよ」
笑顔でクニヒト大佐が言った。
「やかましいわ」
アオイが立ち上がるとドラゴネット達を見回した。
「そあ、そろそろ旦那様はこの先にある金属でできた船に戻らないといけません」
アオイがドラゴネット達に言うと、ドラゴネットのメス達は悲しい顔をした。
「でも、貴方達は空を飛べるはずなんで、交代で船に来ることは認めましょう。私達は旦那様を愛する仲間です」
アオイが笑顔で答えた。
「は? 」
俺の衝撃がハンパ無かった。
認めてしまうのか、ドラゴンのヒモを。
どこまで行くんだこの道を。
アントニオ猪木が言うが、実は一休さんの言葉じゃ無くて、清沢哲夫さんの詩の言葉らしいのだが、「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」
このノリでやり過ぎたんだろうか。
もう、収拾がつかない。
アオイが俺の手を取った。
「では、ドラゴンの皆さんが交代でいらっしゃるのをお待ちしてます」
言うと、イージス艦に全員がテレポートした。
甲板に現われるとアオイが俺の襟首を掴んで寝室に引き摺って行く。
「え? お勤めでございますか? 」
俺が聞くとアオイがニッコリ笑って頷いた。
親父がまたドナドナの口笛を吹いた。
全然、流れが変わって無いやん。
しょぼーん。