第三十六部 第五章 修羅場
「一応、そこの女の子の話はアオイから聞いたけど、何でドラゴンがお兄ちゃんの世話をしてるのかな? 」
ミツキの声が震えてる。
「何だか、情愛がこもってたおもてなしのように見えましたが」
シャーロットの声も震えてる。
「さっきの舞はドラゴネットの求愛の舞ですよね」
アオイが淡々と喋るのが凄く怖い。
マジで怖い。
さらに言った途端、許嫁達が憤怒の雰囲気をしてるのが分かる。
後ろを振り返ると許嫁全員と親父達が勢ぞろいしてる。
全員テレポートさせたのか。
「ゼブ。貴方にも旦那様と久方の逢瀬をと思った私が馬鹿だったのでしょうか? 」
アオイが黒髪の美少女をゼブと呼んだ。
「おいおい、ドラゴンと美少女と3pかよ」
親父が感心したような顔で笑った。
「いや、ドラゴネットが百匹以上いたから、全部やったなら100pはいってるかも」
クニヒト大佐が横で余計な事を言う。
やばい、氷点下の空気が絶対零度になった。
ぐぅおおおおお、これは重い。
「ついに種族の壁を超えたな」
カルロス一世が良い笑顔だ。
他人事だと思って洒落にならない。
そもそも、後ろを振り返ったら俺の許嫁の顔見てヒビるくらいなら言わなきゃ良いのに。
「ひ、ヒモモードが暴走しまして……」
俺が正座して冷や汗をかきながら小声で答えた。
「それにしては、美味しいもの食べて、くつろいでたよね」
カガさんが怒ってる。
完全に男の方は鳴りを潜めて、女の子モードだ。
「いえ、お腹が減ってましたので」
正座のまま答える。
「まあ、お腹空いてたんなら、しょうがないかな」
ミツキが頬を指で掻きながら答えた。
おっと、少しいい方向に行くか?
「そう言う考え方がいけないんでしょ」
カガが俺に怒った。
しまった、人の心を読めるんだったわ。
「とにかく、軽率でした。ごめんなさい」
とりあえず、必死に土下座した。
必死に謝ったので、どうにか空気が和らいできた感じになった。
「お待ちください。旦那様は悪くないのです」
白いドラゴンが言った。
言っちゃった。
しかも、旦那様だと。
逃げたメスのドラゴネット達も勇気を出したかのように、じりじりと許嫁達を睨む。
その向こうで、オスのドラゴネットがこれまたギリリと言う憤怒の顔で俺を睨む。
何と言う修羅場。
しかも、異種でやんの。
これ、ヒモモード解除しないと何もできないんじゃないか?
ありがとうございます。pv50万行きました。




