第三十五部 第三章 対策会議
「とりあえず、相手を一撃で塵に出来る力を追求してみようか」
アポリトの話を聞いて、俺が方向転換して答えた。
「ちょっと、待ってぇぇぇぇ! 」
カルロス一世が止めるように言った。
「何ですか? 」
「いや、お前、そう言うの持ったら、義兄も言ってたけど、容赦なく使うって言ってたじゃん」
「そりゃ、そうですよ」
「だろ。あぶねーよ」
「いや、でも、上位天使とか出て来てるんですし、それは仕方ないですよ」
ヨシアキ大佐が反論した。
「いやいや、お前の攻撃で相手は倒せるけど、この星が巻き込まれて破壊されるとして、その場合はお前はその力を使わないと断言できるのか? 」
カルロス一世が真顔で俺に聞いた。
「いや、躊躇なく使いますが」
「ほらぁああぁ! 」
カルロス一世が大声あげた。
「まあ、息子なら使うわな」
「兄弟は容赦しないからな」
「……何となく、戦果が凄い理由が分かったような気がします」
アリリオさんがため息ついた。
「戦争なんて、強大な力で一撃ですよ」
俺が言った。
「危なくって、やばそうなの持たせられませんね。そもそも、聖樹装兵だって、進化させてない初期タイプでスルト倒したり無茶苦茶ですもんね」
精霊の入ったメイスン中尉が頷いた。
「あ、そういや、お前の聖樹装兵って進化するんだってな」
カルロス一世が俺を見た。
「ええ、敵の攻撃を激しく受けたりしてる間に、それを記憶して、それに対抗するために進化するとんでもないスペックの怪物オリジナルなんですが、この人が相手の攻撃受けずにしれっと相手を潰すんで、いつまで経っても進化しない逸品ですよ」
ちょっと皮肉っぽく、だけど悲しそうに精霊の入ったメイスン中尉が答えた。
「ええ? そうなの? 」
驚いた。
マジかよ。
そういや、まともに受けた攻撃ってカルロス一世の打撃位だもんな。
「そうですよ。本来は聖樹装兵が進化して貴方の世界を選ぶ戦いで使徒たちを従えて役目を執行するのが本来の姿なんですが、全く進化しませんね。本当に驚くほどです」
精霊の入ったメイスン中尉がすげぇ嫌味ったらしい顔をした。
「まあな。使徒ガムビエルに敵の殲滅頼むかと思えば逃げたもんな」
カルロス一世の目が冷たい。
「かと言って、スルト倒すなんて異常だけどな」
親父が笑って言った。
「本当に良くわかんない人ですよね。普通の人と行動が違う」
精霊の入ったメイスン中尉がため息をついた。
「まあ、でも、ヒーローにこだわりがあるんですから、変身したらどうですか? 」
流石のweeabooのルイス中尉が良い事を言った。
変身とな?
「むう、変身か。ありかな」
親父が深く頷いた。
「こ、これはいけるのでは」
ルイス中尉も興奮してる。
「では、獲得目標の力は変身に決まりました」
俺が皆を無視して勝手に宣言した。