第三十四部 第五章 作戦会議
「じ、上位天使? 」
カルロス一世とアリリオが驚いた顔をした。
「そんなのいるの? 」
カルロス一世が俺と親父を交互に見た。
親父が頷いた。
「ええええええ、絶対勝てないじゃない。敵なんだろ? 」
カルロス一世が椅子に座りこんだ。
「でも、アオイとミツキが撃退したし」
「まあ、うちのルイとかもあの子たちは普通じゃないとは言ってたけど、本当に普通じゃ無かったんだな」
カルロス一世が俺を憐れむ様に見た。
くくっ、胃が痛いから止めてほしい。
「結局、どういう事なんですかね」
カザンザキスさんも揉めるの止めて席についた。
「私も詳しくは知りません。精霊界の方では何も言われてませんし」
精霊が入ってるメイスン中尉が答えた。
「精霊? 」
カルロス一世が怪訝な顔をした。
「ああ、親父がメイスン中尉を気絶させて、俺のフォローしてくれてる精霊さんを入れたの」
「あ、相変わらず無茶しますね。義兄さんも」
カルロス一世がドン引いてる。
「しかし、そうしないと話せないからな」
親父が笑った。
「樹老人さんの方はどうなんだろう」
俺が樹老人さんを見ると、床に腹ばいに横たわったまま、弱々しく首を振った。
「多分、上の上で勢力争いでもあるんだろうな」
親父が笑って言った。
「は? 」
樹老人さんがガバッと起きて聞いてきた。
「創造主の側近の御方もそれ絡みで監視してるとおっしゃってた」
「マジで? 」
「マジだ」
「どうすんのよ」
「それじゃあ、<結末の時>は? 」
カザンザキスさんも驚いて聞いてきた。
「上の上の思惑と内紛が混ざった酷い話になるだろうな」
「じゃあ、<終末の子>なんて意味ないですね」
精霊が入ってるメイスン中尉がしょげたように言った。
「いや、そうでも無い。そちらの内紛も、ど真ん中にいるのがうちの息子らしい」
親父が笑った。
「「「「「「は? 」」」」」
全員が唖然とした。
「ち、ちょっと、全人類巻き込まれなの? 」
クニヒト大佐が愚痴る。
「マジですか? 」
カルロス一世が頭を抱えた。
「そこでだ。……お前の嫁さん達は起きてないな? 」
親父が俺に声を潜めて確認した。
全員がしんとして寝室のある方側に聞き耳を立てる。
「……大丈夫のようですね」
ヨシアキ大佐がふぅと言う感じで言った。
「よし、こいつのヒモの力を使って、作戦がある」
親父が皆を見回して言った。
「何です? 」
ルイス中尉が前のめりだ。
俺は嫌な予感しかしない。
皆がシンとして親父に注目した。
親父がその注目の中で咳払いして言った。
「題して、ポケモ〇作戦だ」