第三十三部 題十章 エピローグ
そうして、ヨーヨーを見ながら話しこんでると、ミツキとアオイが入ってきた。
「また、私の二重人格が出たんだって? 」
ミツキが俺に聞いた。
「ああ、皆から聞いたのか」
親父が答えた。
「参ったな。本当に記憶が無いや」
ミツキが困ったように首を振った。
「あれ? 他の皆は? 」
俺がアオイに聞いた。
「まだ、ぐっすり寝ておられます」
アオイが笑った。
やっぱり、可愛いよな。
横でカザンザキスさんとかアポリトが緊張してる。
「あ、さっきの話は言いたくなったらで良いよ。俺は気にしてないし」
俺が言った。
俺が光ったらしい。
アポリトとかまぶしい目をしてる。
「ありがとうございます」
アオイが笑って答えた。
あれ?
ヒモモードが効果無しか?
ミツキは頬が少し赤くなったのに。
「大丈夫ですよ。私はもうずっと貴方にメロメロですから」
アオイが優しく笑顔で言った。
ちょっと、言われて照れくさい。
その時、アオイの後ろのドアが開いた。
そこに鉄仮面を被ったセーラー服を着たカガがいた。
俺と親父の顔が一瞬にして、すんごい顔になる。
やばい、忘れてた。
ほげぇぇぇぇぇ。
「こんなので良いのかな」
カガが俺達に聞いた。
アオイ達の前で聞いてしまったのだ。
アポリト達も状況を把握したのか、皆でムンクの顔になる。
「……何、これ」
ミツキが鬼モードへ移行した。
「いや、鉄仮面と言えば、セーラー服ですから」
ルイス中尉がきっぱりと言った。
ぼぇぇぇぇぇぇ。
「何でセーラー服着てる女の子がいるのよ」
ミツキの声にアオイがカマキリモードに移行しだす。
くっ、こないだの見てるんで皆が凍りつくような迫力だ。
「女の子じゃないよ。僕だよ。カガだよ」
カガが反論した。
「え? 何でカガさんが鉄仮面? 」
ミツキが聞いた。
「いや、ヒモモードの影響受けるの止めようと思って」
カガが鉄仮面を人差し指で掻いて答えた。
「じ、じゃあ、セーラー服は? 」
「シュウジさんに用意して貰いました」
言わんでいいのに、ルイス中尉が言った。
ミツキが凄い目で親父を見る。
しかし、親父はふっとため息をつくと余裕の笑いを見せた。
「つまり、娘達の子作りの為に必要かと思って、コスプレを用意してた訳だ」
満面の笑顔で親父が箱の中を開いて、ミツキとアオイに見せた。
「早く孫が欲しいからな。ちょっと下世話だったかな? 」
少し申し訳なさそうに親父が笑った。
くっ、汚い。
孫のパワーワードをここで使うとは。
逃げれないじゃん!
俺、逃げれないじゃん!
「お父様、ありがとうございます」
アオイが俺の襟首をグイと左手で掴んだ。
右手にはその箱を持っている。
親父がドナドナの口笛を吹いた。
ずりずりと寝室に引き摺られていく俺。
やられた。
「ちょっと、僕は違うから! 僕は違うんだから! 」
カガが叫んだが、ミツキがずりずりと引き摺って行く。
やばい、もう誰にも止めれない。
親父が俺に敬礼すると、ルイス中尉やアポリトも敬礼した。
なんでやねん。