第三十三部 第九章 セーラー服
親父がスコット中佐に連絡したところ、すぐに原潜が浮上して来て、親父が箱を受け取った。
その中から、セーラー服を出して、カガに見せた。
「な、何で、セーラー服が……」
俺が親父にドン引いた顔で聞いた。
「馬鹿野郎! 裸エプロンやってるなら、セーラー服だっていずれ必要になるだろうが! 」
親父が叫んだ。
「むう、確かに」
「だろうが、男と言う悲しい生き物はそう言うものなんだよ」
親父が寂しそうな顔だ。
「流石、父さんだ」
「見ろ、ちゃんと体操服だって準備してあるんだぞ」
親父が凄く良い笑顔をした。
「すげぇや。やっぱり親父は最強だ」
俺が感動でつぃと涙を流した。
ルイス中尉も横で涙ぐんでる。
「えーと、何やってんの? 」
カガが鉄仮面で表情を見せないがドン引いてるのは間違いない。
さらに、アポリト達の目が見た事も無いような冷たい目をしてる。
「これは何の服なんですか? 」
カザンザキスさんがドン引いた顔で聞いてきた。
「これはね。向こうの世界の日本で十五歳くらいから十八歳の女の子が学校で勉強する時に着る服なんだ」
親父が説明した。
「なぜ、こんな場所で、この服が」
カザンザキスさんが不思議そうだ。
「これは男が甘酸っぱい時代を思い出す、ツールなんですよ」
親父が優しく笑って答えた。
「甘酸っぱい時代ですか? 」
カザンザキスさんが真剣だ。
むう、どう見ても絵ズラが変態紳士が自分の性癖を説明してるようにしか見えない。
ルイス中尉が横で興奮してるのも怖い。
weeaboo過ぎるのではないだろうか。
「な、何で、私がこんなものを着ないといけないんだ! そもそも、私は十歳くらいの身体なんだぞ! 」
カガが動揺して叫んだ。
「馬鹿野郎! 鉄仮面と来たらセーラー服なんだよ! 」
親父が凄い威圧感だ。
「そのとおりです」
ルイス中尉の迫力も凄い。
「えええ」
カガが動揺しまくってる。
「とりあえず、着てみたらどうかな? 」
俺が笑顔で言った。
「別に嫌だったら脱げばいいんだし」
とトドメの言葉を言う。
良くあるヤクザ式対話だな。
一人が怒鳴り役をやって、もう一人が理解してるよって優しく言う役をやる。
こうやって相手を追い込んでいく訳だ。
親父も流石だ。
俺を見てにっと笑った。
分かってるじゃないかと言う事だろ。
「分かったよ」
カガがしぶしぶと隣の部屋に行った。
俺と親父とルイス中尉がぐっと目を合わせて親指立てた。
「ところで、ヨーヨーがあったんだが」
と親父が箱から出してきた。
「へ? 良くあったね」
俺が驚いた。
「スコット中佐が趣味で持ってたらしい」
「渋いな」
渋過ぎだろう、スコット中佐。
「待ってください。確か、あの作品では鋼鉄製のヨーヨーでチェーンも特殊な鋼の糸だったのでは」
ルイス中尉が突っ込んできた。
どんだけweeabooなんだ。
そんな詳しい設定良く覚えてるな。
「とりあえず、これしかないからなぁ」
親父がルイス中尉に言われてぼやいた。
「では、ヨーヨーの外装だけ、スチール鋼で加工して見ましょうか」
ルイス中尉が提案して来た。
やはり本場のweeabooは違うと言う事だろうか。




