第三十三部 第八章 鉄仮面
「私の孫が上位者と言うのは何でですか? 」
カザンザキスさんが食いさがるように聞いてきた。
「ああ、天使の言葉と言われるエノク語を喋ってたしな。それも、一般には全く知られてない上位エノク語だ。そして、あの上位者に対しての攻撃。間違いないだろうね」
親父が断言した。
「そんな……」
カザンザキスさんが驚いてる。
「いや、カザンザキスさん、あんたは誇るべきだ。上位者なんて、普通の神族の血筋では産まれてこない。転生は無理だ。間違いなく、貴方の血族は特別なんだ」
親父が笑って答えた。
「え? 」
俺がドン引いた顔をした。
「どうしたよ」
「いや、だって、まあ母さんの血かもしんないけど、ミツキもだろ? ヤマトの血のどこにその要素が……」
「いや、ヤマトも凄いんだぞ」
「はあ? あれで? 」
「いや、凄すぎる血だから、闇が何度も汚そうとしていろいろ介入して来て、ああなったらしい」
親父が笑った。
「闇が介入したから、ああなったの? 」
俺が驚いて聞いた。
「そのとおり、闇が介入したら、染まっちゃったんだな」
「染まっちゃったんだ」
「ふざけんな! 」
突然、カガの叫び声をして親父がドロップキックを受けた。
「うぉっ! 」
「おや、カガさん、帰って来たんだ。あれ? 」
カガさんだけど、何か変な鉄仮面をつけてる。
「な、何だそれ」
親父が唖然として聞いた。
「ヒモモードよけの鉄仮面だよ。仕方ないから被ってきた」
カガが愚痴るような感じで言った。
「スケバ〇デカ! スケバ〇デカ! スケバ〇デカ! 」
ルイス中尉が狂喜したせいかカタコトで叫んでいる。
「むう、確かに、スケバ〇刑事に出てた鉄仮面そっくりだな」
親父も感心して答えた。
驚いた。
まさか、アメリカのアニオタがスケバ〇刑事を知っているとは。
やるな。
並みのweeabooでは無かったか!
ルイス中尉がつぶらな瞳をして感動してる。
「素晴らしい。貴方はweeabooの中のweeabooだ」
俺が感心して、ルイス中尉とがっしり握手した。
「ふっ、俺も、スケバ〇刑事を忘れてしまうとはな」
親父がルイス中尉を抱きしめた。
「待ってください」
ルイス中尉が笑った。
「なんだ? 」
「彼の新しい武器が決まったんじゃないでしょうか」
ルイス中尉が俺を見て言った。
「「おおおおお」」
俺と親父が深い同意の声をあげた。
「むう、確かに。鉄仮面がいるなら、あれは確かに必要だ」
親父が悩む。
「それと、服がこれでは駄目なんじゃないでしょう」
ルイス中尉がカガを見てweeabooの血が騒ぐようだ。
「確かに、中世風の子供の服を着てる場合じゃないかもしれない」
親父の顔が真剣だ。
「親父……」
俺が親父にルイス中尉と同意の意志を見せた。
「分かった。何とかしてみよう」
親父が渋く答えた。
「何すんだよ! 」
カガが横でブチ切れた。