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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第三十三部 第六章 結論

 ミツキがその天使のような男の撤退を見届けた後、天空から金色に輝いた羽根で降りてきた。


 そして、俺の前に降りると、優雅に片膝をついて一礼してから気絶した。


「……嘘だろ」


 皆が息を止めてシーンとする中で俺が真っ青になって震えながら呟いた。


 アオイが誰も無言で動けない状態の中で、すっと俺の前に来ると笑顔で俺を見た。


「ごめんなさい。驚かせましたか」


 アオイが笑顔だけど少し悲しい顔をしてる。


 俺がその場にがくりと跪いた。


「……嘘だろ」


 俺が再度呟く。


 皆が本当に黙って誰も動かない。


「お、俺の(ちから)はヒモだよ? 」


 今までに無いくらい俺が動揺してる。


 親父とかアポリトとか皆が素で「は? 」って顔してる。


「何で、俺がヒモなのに、アオイやミツキの(ちから)はこんなに凄いの? 」


 俺の頬についと涙が流れる。


「話がおかしいよ! これのどこが<終末(おわり)の子>なの? これじゃあヒーローとは言えない! 」


 俺の絶望した慟哭が続く。


 アポリトとか樹老人(じゅろうじん)の顔がみるみる呆れた顔になった。


「他の(ちから)だって、下痢、ゲロ、トラウマ、逃げるだけだよ? ヒーローの力とは言えないよ! 」


 俺が皆を衝撃を受けた顔で見回す。


 アオイが俺を優しくなでた。


「ふぅ、やれやれ、やっと分かったか。その通りじゃ。これではとても<終末(おわり)の子>と言えん」


 樹老人(じゅろうじん)がため息をついて、俺の前に来た。


「本当だよ! このままじゃ、完全にギャグキャラじゃないか! 」


 俺が床を手で殴った。


「まあ、今気が付いてよかった。お前はこれからいくらでも強くなれる。じゃから……」


 樹老人(じゅろうじん)が優しく俺に話しかけるのをアオイが制するように、俺の前に出た。


「ヒモで良いんです。旦那様」


 アオイの笑顔が凄い優しい。


「は? 」


 樹老人(じゅろうじん)の困惑がハンパ無い。


「良いじゃないですか。妻が皆、旦那様に愛されて喜ぶ。それ以外に何がありますか」


 アオイが笑顔で許嫁達を見回した。


「そ、そのとおりです」


 キョウカさんもほほ笑んだ。


「われもそう思うぞ」


 龍女(りゅうじょ)さんも笑顔だ。


「私もそう思うわ」


 ミヤビ王女まで笑った。


 横で深雪やさくらやミオやレイナが頷いてる。


「旦那様はゆっくりしてればいい」


 (れい)がほほ笑んだ。


「私達が支えますから」


 シャーロットが元気づける感じで笑った。


「それで良いと思う」


 エレネも笑顔だ。


「え? 」


 樹老人(じゅろうじん)が凄い顔してる。


「ヒモでいいの? ヒーローだけどヒモでいいの? 」


 俺が許嫁の皆に聞いた。


「はい、ヒモでいいんです」


 アオイが笑顔で答えると許嫁の皆が頷いた。


「「「「「えええええええ? 」」」」」


 親父以外の皆がドン引きした。


「それが本当だと言う事を私達が教えて差し上げます」


 レイナさんが俺を笑顔で御姫様抱っこした。


「ああああ」


 呆然とする樹老人(じゅろうじん)をほったらかしにして、許嫁の皆に運ばれて、俺が俺の寝室へ向かった。


 幸い、俺の寝室は破壊された艦橋の後ろ側で壊れてなかった。


 遠目に、親父を除く皆が凄い顔で呆然としてるのが見えた。


 なんか、せつない。


  


 


 

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