第三十三部 第五章 それ
「? 何故、ここに? 」
皆とテクの講習会してたアオイの顔がイージス艦の舳先を凝視して歪む。
「? 誰? 」
俺がイージス艦の舳先から異様な力を感じる。
誰だろう。
俺はこの敵意を知っている。
昔からずっと知っている。
「フォォォォォオオオオオオオ! 」
ガムビエルが咆哮をあげた。
「どうした? 」
親父が只ならぬ気配を感じて俺に聞いた。
「ガムビエルが最大級の敵認識した」
俺が簡潔に答えた。
「「「「「は? 」」」」」
親父をはじめアポリト達が唖然とした。
突然、凄まじい炸裂音が外で響く。
信じかたい爆発音だ。
「出たら駄目です」
アオイが鋭く俺と親父が確認しようと出ようとするのを制止した。
「何故? 」
カザンザキスさんが聞いた。
「ガムビエルの本気の攻撃に巻き込まれます」
アオイが答えた。
外での激しい炸裂音が続く。
尋常でない事が外で起こっているのが分かる。
「駄目です。ヨルムンガンドは今、出すべきでは無い」
シャーロットが声を上げようとしたのをアオイが止めた。
「どういう事? 」
シャーロットが驚いて聞いた。
「一体、何が起こっているの? 」
エレネが聞いた。
「われにも教えてほしいの」
龍女さんがアオイに聞いた。
だが、アオイはイージス艦の舳先の方を室内から見たまま動かない。
「駄目か。ガムビエルでも押さえれないか」
アオイが呟いた。
その言葉に親父や樹老人が戦慄した。
イージス艦の舳先の方側の壁がむくりと人の形で歪んでいく。
「誰だ」
俺がじっとそれを見た。
それは実体を伴いつつある。
金色に輝く羽根を持つものだ。
所謂天使の姿をしている。
なんだ、これ。
あまりに美しい姿をしたその美男子の天使は俺の前に姿を現した。
「ほう、すでに、お前も転生してるとはな」
それはアオイに向って言った。
そして、俺を凝視した。
そのまま、数歩、俺の所へ近寄ってくる。
俺の顎を掴むと、じっと俺の目を見た。
「ちっ、まだ起きてないのか」
それは舌打ちした。
「御前である! 無礼な! 」
ミツキが叫んで光の剣を出すとそれに斬りつけた。
それも光の剣を出すと受け止めた。
「ちっ、お前も転生してるのか」
吐き捨てるようにそれが言った。
「貴様の思うようにはさせん」
ミツキが叫ぶ。
ミツキがそれと同じような金色の羽根をはやした。
二人の激突で前の壁が、そこから先の上部の建造物の全てが塵になった。
ミツキとそれが空中で何度も連撃を打ち合わせている。
それは信じがたい光と光のぶつかり合いだった。
「仕方ありませんね」
アオイが前に出た。
手を前に差し出すと奇妙な言葉を喋り出した。
「エ、エノク語? 」
親父が見た事もない顔をして驚いてる。
「待て! 顔を見に来ただけだ! 」
ミツキを振り切ると、それは中空で叫んだ。
「そんな話は聞けませんね」
アオイが冷たく笑った。
「ちっ、相変わらず、怖い奴だ! 」
それが寸前で消えると同時に、そのいたあたりから向こうの百キロ近くの空間が削り取られる。
一瞬にして、闇が出来て、そこに凄まじい風と海水が殺到した。
「嘘だろ」
俺が呟いた。
次元の違う力がそこにあった。
何なんでしょう。
本当にPVが観光シーズンが終わった旅館みたいになってますな。
ヤバス。




