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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第四部 第八章 最強のモンスター

「では、皆さんに聞きます。私も詳しく実情は知らんけど、あちらの世界を潰していいんですか? 」


 俺が皆に聞いた。


「は? いまさら何言ってんの? 」

 

 国王が間の抜けた声をした。


「ミツキが言ってた、どちらかの世界が滅ぶってのは間違いないんですね? 実は、言い伝えだけで当たるかどうかは微妙です、とか無いですよね」


「いままで、伝承が間違ってたことは無いんだが」


 国王が断言した。


「兄弟。と言う事は滅ぼせる方法があると言う事か? 」


「その通りだ。兄弟。さっきのイエローストーンとかより、ずっと効く強力な一撃になるはずだ。だからこそ、実は違ってましたとか後悔はしたくない」


 俺が言った。


「心配するな。クニヒト少佐がすべて被るから」


 宰相が熱く語った。


「そうだ。お前が気に病むことは無い。クニヒト少佐がすべてを償うから」


 国王も深く頷いた。


「私もよくよく運のない男だな」


 シ〇アの格好したクニヒト少佐が、またシ〇アのセリフだ。


 本当に自我が崩壊してるのだろうか。


 なんだか、凄く哀れだ。


「本当に、ヤマトに娘を嫁がすんじゃなかった」


 カザンザキスさんが泣きそうな顔で呟いた。


 とりあえず、横で嘆いてるカザンザキスさんは仕方ないので無視して続ける。


「分かりました。ミツキに聞くけど、昔、俺達が産まれて住んだこともある故郷だ。いいんだな」


 ミツキが悩んだが、頷いた。


「バス事故でギリギリで助かって、こちらの世界に召喚された時、私は酷い大怪我してて、こちらの女官さん達に凄く良くしてもらったの。だから、私は恩返しで皆を助けようと頑張ったの」


「そうか」


 やはり、この国王と宰相は関係ないのか。


 分かっていたけど、彼らの娘と結婚したらお義父さんになっちゃうんだ。


 アオイは仕方ないけど、せめて、国王の娘は貰わないようにしよう。


 そう堅く思った。


「では、国王。約束でしたね。なんでもしてくれるんですね! 」


 俺が国王の目をじっと見た。


「よかろう。娘でも嫁でも嫁でも嫁でも持って行くがいい」


「なんで、嫁が三回なの? 」


 ミヤビ王女がキレそうになりながら、聞いた。


「大事な事なんで、三回言いました」


 国王が無茶苦茶良い笑顔だ。


 カザンザキスさんが横で、さらに後悔の溜息をついた。


「では、俺の祖父……先代国王が作った聖樹の凍結結界にいるあれを渡してください」


「えええ? 何で知ってるの? 」


 国王が驚いた顔をした。


「王宮図書館ですよ」


「あそこに実験記録はあるが王族しか読めないはず! 」


「あんた、素でアホですか」


 思わず、本音で言ってしまった。


「しまったぁぁぁぁぁ! お前、王族じゃんかぁぁぁぁ! 」


 国王が膝から崩れ落ちると叫んだ。


 カザンザキスさんの目に涙がうっすらと出てる。


「駄目よ。あれは危険すぎるわ」


 レイナさんが俺に鋭い目を向けた。


「いえ、あれを使うしかないんです」  


「兄弟、一体何があるんだ」


「史上最強のモンスターだ。恐らく、あれが一番奴らに効く。怪物デューボーンより奴らには最強の敵となる」


「しかし! 」


レイナさんがそれでもと言う風に叫んだ。


「国王、貴方がアホで間抜けで、確かにすぐ逃げてどうしょうもない人間ですが、それでも、あのモンスター達のことを考えて大量のスキル結界を持つ人間を養成してるのは知ってます」


「え? それ本音? 」


「はい。本音です」


「ガンガンくるね。そうか、良くわかった。レイナ、全部のスキル結界を持つものとともに、あの籠を使おう。聖樹様の枝で作った、あのモンスターの力を防ぐ籠を。あれであのモンスターをこちらに運ぶんだ」


 レイナさんが仕方ないと言う感じで頷いた。


「では、ワイバーンをお使いください。数日で帰ってこれるはずです」


 アオイがレイナさんに聞いた。


「待って、私も三つ首のドラゴンで一緒に行くわ」


 ミツキも続いた。


「よし、最強モンスターが届いたら、奴らに使うぞ」


 俺が言うと皆が一斉に頷いた。

 

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