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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第三十三部 第一章 プロローグ

 目が覚めた。


 何故か、俺の頬を涙が流れてる。


 変な感じだ。


 アオイのテクは凄かったのだが、逆に何故か自分はそれを懐かしいと思った。


 何でだろう。


 物凄く自分にとって大事なものを忘れてる気がした。


 本当に本当に大事なものを……。


 いろいろと思い出そうとすると、又、涙が出てくる。


 まあ、許嫁の足がまわりで布団から飛びだしてたり、所謂アヘ顔のまま気絶してる許嫁達に囲まれて、考えるような事でも無いが……。


 周りの惨状を見れば見るほどやり過ぎちゃった。


 頭には許嫁のパンティー被ってるし、最初の俺のモノローグが台無しだ。


 おっと、胸にはブラジャーつけてるし。


 何でこうなってるのか、ちょっと思い出すのも怖い。


 自分のパンツに刀のように差してる電動バイブ見ても、もののあはれを感じる。


 どこでこうなっちゃったんだろうか。


 結構、シビアな感じの夢も見てたはずなのに。


「とりあえず、毛布だけ掛けて、部屋から出よう」


 小声で言いながら、毛布を掛けていくが、何だろう許嫁を見てて切ない。


 やべぇ、無茶苦茶お盛んだったんだなぁ。


 本当に本当に許嫁達が凄い格好してる。


 ただ、隅で普通に寝てるアオイを見てどきりとした。


 涙の痕がある。


 一体、何が長い間なのか、さっぱり分からない。


 とりあえず、悩むのも疲れるので、早めに部屋を出た。


「おう、早いと言えば早いが、それでも六時間ってとこか? 」


 会った途端の親父が元気そうだ。


「何だろうな? 俺、何かあるのかな? アオイも変だったし」


「まあ気にするな、悩んだって変わらん」


 親父が笑顔だ。


 だめだ、余韻が吹っ飛んだ。


 まあ、ある意味、そういう生き方って凄いんだろうが。


「うちの母さんもそんな感じだったからな。アオイさんにも何かあるのかもしれんが、それをお前が悩む方が向こうには負担だろうよ」


 親父がしみじみとした顔をした。


「意外ですね。そんな風にうちの孫を思ってくださるとは」


 親父の後ろにいたカザンザキスさんが驚いた顔をした。


「まあ、俺は一人で友達の敵を討って、王宮の皆に後ろ指刺されて、無理矢理、日本に先に転生させられたからな。こんな俺でもいろいろあるんだ、そりゃ皆、いろいろ持ってるさ。だから、本人が何かお前に言って来たら聞いてあげてやれ」


 親父が俺に、又、優しい笑みを浮かべた。


「……私は貴方を誤解してました」


 カザンザキスさんが感激したような顔をした。


 俺も同意だ。


 そうか、親父にもいろいろとあるのか。


「やっぱり、報復しすぎると良くないぞって事だよなぁ」


 親父が感慨深い顔をした。


「は? 報復し過ぎって? 」


 俺が唖然とした。


「いや、王宮の後ろ指刺して来た奴、全部、修羅の(ぬし)とくっつけてやったんだわ。凄い悲鳴だったなぁ」


 親父が良い笑顔だ。


 本当に良い笑顔だ。


 感心して損した。


 カザンザキスさんの顔が見れない。


 やっぱり親父は親父だ。



 


 


 


 

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