第三十二部 第二章 対策
「こ、これからどうしたらいいの? 」
イージス艦で遁走しながら、皆に聞いた。
流石に力が弱まってきたせいかワイバーン達はやっと去ってくれた。
魚や鯨やイルカも去った。
鳥はまだいるが。
「どうする? とりあえず、鳥は捕まえて食べちゃうか? 」
親父が尻を見せる鳥を見て聞いてきた。
「いや、ちょっと、心が痛むから出来たらやめて欲しい」
俺が答えた。
俺のハイパーヒモモードで集まったのだ、これで食べたら何か俺の中で終わってしまうような気がした。
「仕方ないな、結構、邪魔なんだが」
親父が足で払うが、それを避けて、しつこく鳥がケツを向けて来る。
いじましいほどだ。
「少し、相手にしてみたら? 」
クニヒト大佐が当て付けるように聞いてきた。
「ふざけんな! 」
「鳥と<終末の子>で子供が出来るか試してみればいいのに」
「お前、からかってるだけだろ」
「当たり前じゃん」
とりあえず、クニヒ大佐にバックドロップをかけた。
クニヒト大佐が脳天を甲板に打ち付けられて動かなくなった。
「とりあえず、コントロールできるようにするしか無いだろうな。精霊さんとやらは呼んだら出てくれるのか? 」
親父が仕方ないと言う感じで聞いた。
「呼んでみるわ。精霊さん! 精霊さん! 」
俺が必死に叫んだ。
「なんか、危ない人に見えるな」
親父が笑いながら言った。
「いや、好きでやってんじゃないから」
[何ですか、騒がしいですね]
精霊らしい声がした。
「ちょっと姿を見せてくれよ」
[それは困ります。貴方のヒモモードで影響出たら大変なので]
「えええ? 女性なの? 」
「そりゃ、しゃーないな」
「せめて、皆に声が聞こえるように出来ないかな。これじゃ、危ない人みたいだし」
俺が精霊にお願いした。
[じゃあ、誰か気絶させてくれますか? ]
「分かった」
俺がバックドロップで倒されて首を振りながら起きてきた、クニヒト大佐をチョークで締め落とした。
「どうかしたんですか? 」
ヨシアキ大佐が聞いてきた。
「いや、精霊さんが誰か気絶させてと言うから」
「容赦ないな、お前」
親父が笑った。
「何か、使いにくい身体ですね」
精霊が入ったクニヒト大佐が言った。
「まあ、男だし」
「いえ、何か中にもう一つ人格ありますよ」
「ああ、多分、シャ〇だ」
「シャ〇? 」
「向こうの世界のアニメキャラですよ。ヤマトのお偉いさんがファンなんで無理矢理魔法使って喋り方とか性格とか強制したんです」
「……なんか、酷い事しますね」
「まあ、ヤマトの王家はカスばかりですから」
「お前もヤマトの王家じゃん」
親父が苦笑した。
「なるほど、理解しました」
精霊の入ったクニヒト大佐が深く頷いた。
何か、クニヒト大佐みたいに性格悪くないか?
「何か言いたそうですね。別の人間に入ったら心が読めませんが、悪口言ってそうなのは分かりますけど」
精霊の入ったクニヒト大佐が嫌そうな顔をした。
「とりあえず、聞きたいんだが、このヒモモードってキャンセル出来ないの? 」
俺が必死になって聞いた。
「無理ですね。いっそ、次の進化で男も追加してコンプリートしてみたら良いんじゃないですか? 」
精霊の入ったクニヒト大佐がうれしそうに答えた。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁ! 」
こいつ、面白がってる。
最悪だ。