第三十二部 第一章 プロローグ
鳥とワイバーン達は尻を向けたまま動かない。
たまに、身体を揺するが、催促なのだろうか。
そもそも、鳥は相手の総排泄口に生殖器を擦り付けるだけだろうに、良く考えたら、いきなり俺にアナルも一緒に体験しろと言うのか。
イージス艦に乗れない雌のワイバーン達が上を飛び回ってる。
すでに一時間もこの膠着状態だ。
しかも、イージス艦が揺れる。
鯨とイルカがイージス艦に身体を擦りつけて来るからだ。
しかも、魚たちもいろいろな種類が卵をまき散らしていくので、恐ろしい。
しかし、不幸中の幸いで、島で無くて良かった。
動物とモンスターに追っかけられたら泣いてしまう。
「恐ろしい力だな」
親父がじっとあたりを見てる。
「これ、ヒモじゃないよね。種馬だよね。ヒモは動物や鳥や魚なんか相手にしないし」
[ヒモです]
「ヒモじゃ無いから! 」
俺が精霊に怒鳴る。
「こ、これ、まさか、鳥や動物や魚やモンスターと交尾したら、赤ちゃん出来るのかな」
クニヒト大佐がとんでもない事言った。
「人間じゃ無いし、あり得るのか」
親父が驚愕の顔をした。
「兄弟、一体、どこまで……」
アポリトが俺を見開いた目で見る。
「いや、俺の希望じゃないから」
俺が動揺して叫ぶ。
「これ、あかんやつだ。コンチュエで使えないわ。皆、お前に尻を向けて来るぞ」
親父が困ってる。
「意味ないじゃん、これ」
「アマゾネスが起きたらどうなるんでしょうね」
ヨシアキ大佐が下のガレー船を見た。
「嘘、嫁が千人超えるの? 」
俺が震えあがる。
「いや、いくらなんでも許嫁がキレるだろ。まずいわ」
親父が青くなって困惑した。
「回数とかも減るでしょうしね」
ヨシアキ大佐も頷いた。
「逃げよう。許嫁同志の戦いで巻き込まれたらたまらん」
固まってるメイスン中尉とかを起こしにかかる。
「そーっと脱出するんだ」
「いや、ワイバーンとか鳥とかどうすんですか」
ヨシアキ大佐が聞いた。
「しゃーない、とりあえず、乗せたまま行くしかあるまい。早く離れないとヤバイ」
親父が真顔で答えた。
「と、とりあえず、イージス艦を急発進します」
事態を把握したメイスン中尉が走って行った。
「そーっとだぞ。アマゾネスを起こさないように、この包囲の輪から出てから、全速にすんだぞ」
親父が必死だ。
「とりあえず、静かにいきましょう」
ルイス中尉も言った。
「ど、動物どころか魚や鳥まで、こうなるのか……」
事態を把握した樹老人さんとカザンザキスさんの顔が怖い。
「いやいや、凄いね」
ダグダ師匠は苦笑している。
コンチュエ行くどころでなくなって来た。
どうしょう。




